7月の少なめの読書メーターまとめです。

 

 

暑い日が続きます。

ぼちぼちやりましょう。

 


読んだ本の数:10
読んだページ数:2360

 

 

バルト海のほとりにて―武官の妻の大東亜戦争 (朝日文庫)バルト海のほとりにて―武官の妻の大東亜戦争 (朝日文庫)
第二次世界大戦前後、スウェーデンに駐在した小野寺信武官の妻による回想録。社交から暗号文の作成まで、妻の仕事は膨大だった。軍人でもないのに?お子さん3人を東京に残しての活動。敗戦後の引き揚げまで綴る。当事者でなければ書けない貴重な記録だ。
読了日:07月29日 著者:小野寺 百合子

 


ママがいい! 母子分離に拍車をかける保育政策のゆくえ

ママがいい! 母子分離に拍車をかける保育政策のゆくえ

保育・幼児教育の無償化や待機児童ゼロを目指す国の施策により、保育の現場が疲弊しているという。「保育」が国の予算に裏打ちされたリスクの少ない「起業」となり、金儲けのために参入する業者も少なくない。保育の現場での危うい事例がこれでもかと示されるが、「一日保育園」など、親を巻き込む取組も紹介される。女性の社会参加というが、そもそも子どもは生まれたときから社会の一員という言葉が心に残った。難しい問題だが、まずは現状を多くの人が認識することが大切だと思う。
読了日:07月25日 著者:松居 和

 


裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡 (ちくま新書)

裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡 (ちくま新書)

『黄金町マリア』『コロナと風俗嬢』などの著書があるノンフィクションライター八木澤さんが綴る、ふるさと横浜の歴史。釣り糸を垂れていたという赤レンガ倉庫の歴史、世界を旅してきた著者も、臭さにびっくりな船の宿など、興味深かった。
読了日:07月23日 著者:八木澤高明

 


田村はまだか (光文社文庫)

田村はまだか (光文社文庫)

『一万円選書』のご紹介で。関連する6つの短編で田村とその元クラスメートを描き出す。田村少年が何ともかっこいい。マスターの花輪が印象に残った客の言葉を記すという黒い表紙のばね式帳面から。「誰か、とても暖かいひとの手で、こうして頭を撫でられながら眠りにつきたい夜が、あたしにだってあったりするのよ」
読了日:07月21日 著者:朝倉 かすみ

 

 


ウイスキー・ウーマン――バーボン、スコッチ、アイリッシュ・ウイスキーと女性たちの知られざる歴史

ウイスキー・ウーマン――バーボン、スコッチ、アイリッシュ・ウイスキーと女性たちの知られざる歴史

読了日:07月15日 著者:フレッド・ミニック

 

 


哲子の部屋 Ⅲ: “本当の自分”って何?

哲子の部屋 Ⅲ: “本当の自分”って何?

「アイデンティティは変態する」ここでいう「変態」とはメタモルフォーズ(変身)、さなぎがチョウになることを指す生物用語。「常に自分は、別なものに変化し続けている」というドゥルーズの思想を紹介しながら、映画『HK/変態仮面』を教材に、中途半端な自分を肯定することにより「アイデンティティ追及」と「自己否定」から抜け出すという着地点か。薄い本だけどなかなか深い。
読了日:07月14日 著者:NHK『哲子の部屋』制作班

 


『パンセ』で極める人間学 (NHK出版新書 677)

『パンセ』で極める人間学 (NHK出版新書 677)

鹿島さんの解説がわかりやすい。『パンセ』は読んだことがないが、成り立ちからよくわかった。パスカルがもう少し長生きして、本が完成していたらどんなものになっていたのだろう。断章でさえ、訴えるものがある。
読了日:07月13日 著者:鹿島 茂

 


反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」

反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」

反応しないことによってすべての悩みは解決できる。悩みを増やしてしまうようなムダな反応を最初からしない。怒り、不安、「どうせ自分なんて」という反応を素早くリセット・解消する。判断しない・自分を否定しない・他人の視線を気にしない・勝ち負けや優劣にこだわらない。心の状態を言葉で確認し、アタマの中を分類するだけで妄想をリセットできる。ブッダが説いた原始仏教から、生きづらさをなくすヒントを提案。以前に読んだときより腑に落ちた。
読了日:07月07日 著者:草薙龍瞬

 


ヘルシンキ 生活の練習 (単行本)

ヘルシンキ 生活の練習 (単行本)

2020年2月からヘルシンキで働くことになった作者。コロナ下の海外で6歳と2歳の子どもを連れての暮らし。フィンランドというと福祉が充実しているイメージです。「保育は働く親のためではなく、あくまで子どものためにある」働くお母さんならうらやむ環境かもしれない。作者は日本で生まれ日本国籍を持つ在日コリアン。フィンランドで暮らしたら、こんなところがおもしろかったよという視点。「自立とは他人に頼ること」「迷惑をかけないようにがんばるというのは、私は他人を助けないと自慢するのと同じこと」記録したい言葉がたくさんあった。
読了日:07月03日 著者:朴 沙羅

 


サンダカンまで―わたしの生きた道サンダカンまで―わたしの生きた道
『サンダカン八番娼館』の作者の半生。雑誌の表紙を飾ろうというときにストーカーのような男に顔を切られる。そんな筆者に母親は冷たく、その事情は出生の秘密にあった。この人だからこそ、『サンダカン八番娼館』は書けたのだと思った。
読了日:07月02日 著者:山崎 朋子



お読みいただきありがとうございました。