画面には1人の男。
スマホで話しながら歩いています。
電話の相手は、別れた妻?
続いて、仕事の同僚?
着いたところはロンドンの高級レストラン。
一年で最もぎわうクリスマス前の金曜日という設定です。
男はこの店のオーナーシェフ・アンディ。
出勤前からお疲れの様子です。
この忙しいときになぜか衛生検査官が待ち受けていて、彼のレストランの評価をしれっと下げます。
予約は過剰に埋まっており、アンディの発注ミスで材料も不足しているらしい。
さらにライバルシェフが評論家の彼女を伴って客として現れ、否が応でも緊張感が高まります。
共同経営者の娘らしいホールの責任者と揉める厨房。
不穏な空気をはらみながら、トラブルは起こるべくして起こり、ひりひりした思いで画面に見入ります。
そして
そこらここらに散らばった不安要素はそのままに
映画は突然終わります。
ああ、でも
人の一生もこんなものかもしれない。
不安が実際におきるとも限らず、
期待はもっと実現せず
ある日突然、人生の終わりはやってくる。
全編ワンショット、ノーカット、編集なし、ノーCG
ものすごい緊張感でした。
さすが演劇の街ロンドンです。
役者さんがみんなすごい。
脚本もいいし、撮影も相当苦労しているんじゃないでしょうか。
ありふれた飲食店の一夜をスリリングなドラマに仕立て上げ、あっという間の90分でした。
お読みいただきありがとうございます。

