高校や大学の同窓会で久しぶりに会う同級生。
老けて誰だかわからない人と若々しい人との違いは?
もしかしたら、リンの摂取量かも。
リンとは、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムとして、骨や歯の構成成分となる大切な要素です。肉、魚、乳製品など、多くの食品に含まれ、普通に食事をしていれば不足することはありません。
それよりも問題になるのは、リンの過剰摂取による腎臓の酷使です。
腎臓は血液中のさまざまな成分の微調整をして、成分ごとに必要な量を吸収し、不要な分を排出して、常に一定範囲に収まるようにコントロールしています。
こうした腎臓のろ過機能のおかげで、わたしたちは体内の血液を日々リフレッシュして、ミネラルなどの成分を一定範囲内に保っていられます。
塩分、糖分であれば味がしますから、食べてはいけないものはわかります。
リンは無味なのでわからないまま口に入っている可能性があります。
そこで、とりあえず食品添加物が多そうなものを避ける
①ハム、ベーコンなどを減らす
②魚肉ソーセージ、練りものなどを減らす
④カップラーメンを減らす
⑤「とんでもなく日持ちするもの」は買わない
⑨ファストフードを食べる機会を減らす
⑩「下ゆで」「ゆでこぼし」などの工夫をする
・ハムやソーセージは炒める前にゆでこぼす
・カップ麺はお湯を注いだら一旦そのお湯を捨てる
⑪値段が安すぎるものには注意する
筆者は、自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部教授。
91年、余分なリンを腎臓から排出させる老化抑制遺伝子「クロトー」を発見し、腎臓とリンの関係から老化の仕組みを解明する研究を行っています。
その辺の話に多くのページが割かれていておもしろいので、興味のある方はお手に取ってみてください。
腎臓とリン、老化の関係の研究はまだ端緒に就いたばかりで、これからわかってくることも多そうです。
添加物を避けるはあたり前のようですが、腎臓の働きを意識して、負担をかけないという点が新しいのでしょうか。
日本では成人の8人に1人、1300万人以上が慢性腎臓病と診断されているそうです。
透析患者の数は30万人を超え、毎年1万人のペースで増加しています。
透析の経費だけで1.3兆円、合併症も含めると医療費全体の2割が慢性腎臓病のために使われているそうです。
個人の健康はもちろんですが、医療費の負担を減らすためにも社会全体で取り組む必要があると思うのですが、それには時間がかかるでしょう。
自分で気をつけるしかないんでしょうね。
お読みいただきありがとうございました。
2022年1月25日発行
幻冬舎
定価:860円+税