2011年にはじめて台湾に行き、すっかりはまってしまったという筆者による、紀行エッセイです。

 

台湾のどこに惹かれたかというと、街のコンパクトさ、建物の魅力、個人商店が多いこと、カフェやセレクトショップのサブカルチャー度などをあげます。

 

とはいえ、観光ガイドではなく、台湾と中国の歴史、今の台湾の若者がそれをどう捉えているかなど、筆者のインタビューを通して知ることができます。

 

台湾の若者は政治に関心があります。

 

台湾人は生活に対するすべてのものが政治だから。

今は無関係だと思っている政策がいつか自分に影響を与えるということがわかっていない。

痛い目にあって初めてわかる。

台湾人は、危機感が強いから。

いつ国がなくなるかもしれないという気持ちで生きている。

 

筆者がはじめて台湾に行ったころは、まだ台湾に関する本などもなかったそうです。

渡辺満里奈『満里奈の旅ぶくれ-たわわ台湾』(新潮社)と小林よしのりの『台湾論』だけだったというのがおもしろいです。

 

渡辺満里奈さんは流行を先取りすることで有名とのことですが、さすがです。

 

あとがきによると、筆者は、一般企業に勤めたのち、出版社などを経て、海外放浪の旅へ。

そんな中で出会った台湾で、自由を実感したそうです。

 

もしかしたら台湾は、日本にとって、かつてそうであったと同時に、そうであったかもしれない未来を体現する国なのではないか。

 

深いことも書かれてるんですが、さらっと読めるなと思ったら、『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら 』(菊地良共著)の著者でした。

 

 

お読みいただきありがとうございました。