アメリカ・イェール大学で研究ポストを手に入れた日本人女性・夏帆が、指導教授の教えを受けながら、マインドフルネスを体得していく物語を通して、読者も一緒に学んでいくという内容です。

 

マインドフルネスの起源は原始仏教にあると言われています。

19世紀、あるイギリス人がスリランカを訪れた際、この概念に出会い、西洋に持ち帰ったもの。西洋人が東洋の思想や瞑想法を自分たち用にアレンジしたものといっていいかもしれません。

 

そのため、宗教性は排除され、実用面に比重が置かれています。

 

グーグルによると「評価や判断を加えずに、いまここの経験に対して能動的に注意を向けること」

 

ちょっとわかりにくいですね。

 

スター・ウォーズの登場人物に似ているため、ヨーダと呼ばれている指導教授によると、マインドフルネスは『休息の方法』

脳と心を休ませるための技術郡と説明されます。

 

 

マインドフルネス瞑想によって期待できる効果は

・集中力の向上

・感情調整力の向上

・自己認識への変化

・免疫機能の改善

 

ウイルス感染などに対する耐性を強化するというのは、この時期、見逃せません。

 

 

 

とにかく脳がつかれているとき

 

①椅子にゆったり座り目を閉じる。お腹はゆったり、背中はシャキッと。

②体の感覚に意識を向ける

③呼吸に注意を向ける

 呼吸するたび、「1」「2」「3」などとラベリングするのも効果的

④雑念が浮かんだら、その事実に気づき、意識を呼吸に戻す。雑念は生じて当然なので、自分を責めない。

 

・1日5分でも10分でもいいので、毎日続けることが大切

 

 

 

怒りや衝動に流されそうなとき

 

①認識する

 ・「あ、私、今怒ってるのね」それさえ認識してない人いますよ

 ・怒りと怒っている自分を同一視しない

 

②受け入れる

 ・怒りが起きているという事実を受け入れる

 ・その事実に価値評価を加えず、そのまま許す

 

③怒ったときに身体に何が起きているか検証する

 ・心拍はどう変化している?

 ・身体のどこかが緊張している?

 

④距離をとる

 ・自分の感情を個人的にとらえない

 ・怒りを突き放して「他人事」のように考えてみる

 

・怒り以外の様々な衝動にも有効。(甘いものをむしょうに食べたいとか)
・目的意識が高い人ほど、心のゆとりがなくなり、衝動に走りやすい

 

 

 

他人へのマイナス感情がある

 

①マインドフルな意識状態をつくる

②その人のことを思い浮かべる

③心の中でフレーズを唱える

 ・「あなたがさまざまな危険から安全でありますように」

 ・「あなたが幸せでありますように」

 ・「あなたが健康でありますように」

 

「あなたの敵のために祈れ」と言ったイエス・キリストみたいですが、他の人へのマイナス感情を抑制し、ストレスを減らすのに有効であることは実証済みだそうです。

 

ストレスの多くは人間関係から生じると言われますから、このスキルを身につけるだけでも、脳が疲れにくくなりそうです。

 

 


 

 

 

『瞑想をすると心が落ち着く』なんてことは、わざわざ本を読まなくてもわかりそうなものです。

 

マインドフルネスのすごいところはそれだけではなく、脳の構造そのものも変えてしまうということだそうです。

 

 

瞑想が変える脳の部位は

・感覚野と島(身体感覚への気づき)

・海馬(記憶)

・前帯状皮質/眼窟前頭皮質(自己・感情の調整)

など

 

 

この手の本はたくさん読んでいて、この本も読んだことがありました。

瞑想も気がつくとやるようにしていましたが、よくわかっていませんでした。

 

何をするかよりも、なぜするのかが大事ということを、今回とても実感しています。

 

マインドフルネス瞑想がなぜ脳の休息になるのか、行うと何によいのかということが、身に沁みてわかると、続ける意欲が高まるような気がします。

 

まだ、腑に落ちていない点もありますが、まずは実践。

ときどき読んで、また理解を深めたいと思います。

 

 

2016年7月28日第1刷

ダイヤモンド社

定価1500円+税

 

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。