長田弘さんの『世界はうつくしいと』から抜粋。
「We must love one another or die」より
人生は受容であって、戦いではない。
戦うだとか、最前線だとか、
戦争の言葉で、語ることはよそう。
たとえ愚かにしか、生きられなくても、
We must love one another or die.
わたしたちは、
愚か者として生きるべきである。
瞑窓半月、本を置いて眠る。
「大丈夫、とスピノザは言う」より
真夜中は、窓から、空を見上げる。
夜空は人の感情を無垢なものにする。
雲のない夜は、星を数える。
雨の夜は、無くしたものを数える。
大丈夫、とスピノザは言う。
失うものは何もない。
守るものなどはじめから何もない。
7年かけて書かれた27編の詩は、
ほんとは抜粋なんてできないのです。
タイトルだけあげるなら「窓のある物語」「蔵書を整理する」「人の一日に必要なもの」「グレン・グールドの9分32秒」など。
これが詩なのかと思うけど、詩と絵本には哲学があるような気がします。
2009年4月24日発行
みすず書房
定価(1800円+税)