「演歌」とは「演説歌」を略したもの。
もともと演説の代わりに政治を批判したり諷刺したりするメッセージソングだったそうです。
いつの間にか、八代亜紀や森進一の歌が「演歌」になってしまったのは、
五木寛之がそう呼んだのが始まりだとか。
今ではただ一人の「演歌師」という、岡大介さんが紹介されていました。
岡さんは、吉田拓郎らのフォークソングに刺激され、ギター1本でストリートで歌っていました。
そんなとき、なぎら健壱さんや高田渡さんのライブで演歌を知り、ぶっとんだ詞にとてつもない魅力を感じたといいます。
また、同じく路上で演奏していた男性からカンカラ三線を知ります。
カンカラ三線とは、戦後の沖縄で米軍の捕虜となった人々が、空き缶とベッドの足から切り出した木片、パラシュートのひもを弦に組み合わせた楽器です。
25歳のとき、演歌とカンカラ三線でやっていこうと決意し、昨年にはカンカラ鳴らして、政治を「演歌」するという本をまとめています。
繰り返す
自粛自粛の無策の政治
皆生殺し
街の灯りは消したとて
五輪の灯りは爛々と
民の声など聞きはせぬ
(「むらさき節」替え歌)
立川談志さんからは「カンカラのやつ(岡)は、落ちたり落ちたりするだろうけど、頑張ってほしいな」と言われたことがあるそうです。
絵画10選が紹介されるコーナーでは、美術史家の秋田麻早子さんが、『描かれたアンドロメダ十選』を解説してくれています。
アンドロメダ姫は、母カシオペアが自らの美貌が神に勝ると豪語したことから、怒った神々によって怪物ケートスの生けにえとして、波の打ち寄せる岩に鎖で縛りつけられます。そこを、通りかかったペルセウスに救出され、後に妻になったというギリシャ神話の登場人物です。
毎日、違うアンドロメダが紹介されるのですが、9回目のきょうは、オディロン・ルドンの「アンドロメダ」
ルドンは物語を絵解きできるような描き方はしない。
あくまでもモチーフと色や形による表現で見る人に暗示するだけ。
うつむく女性、鎖につながれた存在もまた、彼の作品に幾度も現れる。私はこの絵に、ドラマともエロスとも違う、解放されるのを待つ何かを感じた。
あなたはどんなことを受け取り、喚起されたのだろう。