きものに関する言葉の辞典です。

挿絵がとってもかわいいです。

 

きもの道30年という筆者がまとめた辞典は、正確でありながら遊び心満載。

きものをお召しにならない方でも、古き日本語の確認に役立つと存じます。

(わたしもしばらくお召しにならないけど)

 

裏勝り/うらまさり

「表は地味に、裏で遊ぶ」おしゃれ。

これ好きですね。

江戸時代、たびたび出された奢侈禁止令に対し、流行したものです。

 

お誂え/おあつらえ

白生地を選んで好みの色に誂えるなんてこともできましたね。

辞典には反物以外に必要なものとして、詳しい明細も載せられています。

 

しじら

織りの組織で、タテ方向に縮れている縮織り、縮織物のこと。

徳島県で生産されている木綿織りの「阿波しじら」が有名。

 

 


 

竹久夢二、中原淳一、白洲正子という項目があったり、結城紬の織元を訪ねたり、浴衣の竺仙さん、組紐の道明さんを紹介するコラムも楽しいです。

 

4コマ漫画も挿入されていて、若さではかなわない、いぶし銀の着こなしや、二十代であつらえた色無地を七十代まで着る様子などが描かれています。

 

デニム着物、プレタ着物、リサイクル着物などの項目もあって新鮮です。

 

 


 

この○○語辞典はシリーズになっていて、ほかにも『大相撲語辞典』『チョコレート語辞典』『談志語辞典』などがあります。

 

『村上春樹語辞典』なんていうのもありました。

「やれやれ」の意味なんかが載っているのでしょうか。

ちょっと気になります。

 

2021年9月20日発行

誠文堂新光社

定価(本体1700円+税)