「東京で最もクールだったのはトイレ。水が流れる音に衝撃受けた」

「小鳥のさえずりまで聞こえるものがある」

 

先日の東京五輪・パラリンピックでは、トイレの擬音装置についての驚きを発信した、外国人記者たちがいたそうだ。

 

2013年に日本に来てびっくりしたモノが何かを日本に住む外国人女性200人に尋ねた調査では、「擬音装置」が27.1!と1位、「豊富な種類の自販機」(23.0%)、「コンビニエンスストアの多さ」(20.5%)と続き、4位にも「自動洗浄装置」(17.0%)と、トイレ機能が入る。

 

記事によると、現在のような擬音装置が登場するのは1979年。

東京都荒川区の折原製作所が開発したのだそうだ。

「電気的な流水音が鳴り、芳香剤まで香る世界初の装置」の名前は、社長が自らつけた「エチケットーン」

 

その後、88年にTOTOが「音姫」、90年にINAX(現LIXIL)が「節水トーン」、2018年にはLIXILが「サラウンドデコレーター」を売り出している。

 

音消しの文化は1799年江戸時代にすでに存在し、その現物も残っているという。

岡山県倉敷市の蓮台寺にある「音消しの壺」だ。

 

直径50センチメートルの青銅製の壺で、高さ約2メートルの石柱に置かれている。

壺には蛇口があり、栓をひねると、地面に敷き詰められた瓦にしたたり落ちた水の音が鳴る仕組みのようだ。

 

TOTOの調査では、擬音装置がないと女性は音を消すため平均2.3回水を流すのだそうだ。

それが、装置があると1.5回に減り、女性が400人いるオフィスでは1年間の節水効果は約5500キロリットル、金額では386万円になるという。

 

トイレの音消しも「本来の目的は節水」で、開発当時、異常な渇水に見舞われていた東京都では、都議会で節水策を問われた水道局長が、「こういう消音機も開発されている」と「エチケットーン」の音を議場に響かせたという。

 

 

少し前の記事で、劇作家の別役実さんが、「ご婦人がお便所で用を足すときに音を消すために『厠団子』を使った」と嘘を書いたら、便器メーカーの資料に載ってしまったと書いた。

このときは、その後、研究者から「そんなことは聞いたこともないのだが」と問い合わせもあったという。

 

 

さらに、「『厠団子』でググったら、たぶんその便器メーカーの資料を読んだ人が、大真面目に記事に載せたブログがヒットしました」というコメントもいただき、いまだに信じている人がいるのもおかしい。

 

トイレの音消しのうんちく、今度は本当かしら。