80代、90代で亡くなるまで制作を続けたり、創作意欲おとろえず精力的に活動したりしている女性アーティストの展覧会が各地で開催されているそうだ。研究者が若い世代や女性へと広がり、既存の評価に新たな視点を与えているという。
「原爆の図」で知られる日本画家、丸木位里の母親である丸木スマ(1875~1956年)は、70歳を過ぎて絵筆をとったという。
明治初期に広島県に生まれ、20歳の頃結婚。船宿の作業や農作業をしながら3男1女を育てた。正式な絵画教育は受けていない。
ベルナール・ビュッフェ美術館で展覧会が開催中。
展示室をめぐると、筆を手にして間もないスマが様々な画法に挑んだことが分かるそうだ。
世田谷美術館で開かれているのは塔本シスコ展。
熊本出身の塔本シスコ(1913~2005年)は50代半ばから大きなカンバスで油彩画を作成、団地の4畳半の自室で制作していたという。
森美術館では「アナザーエナジー展」と題し、現役で活躍する国内外の70代以上の女性アーティスト16人を紹介する。
年を重ねてなお挑戦し続ける力を「アナザーエナジー」と名づけ、高齢の女性に重ねられがちなイメージを一新したのだそうだ。