頑張るのをやめてみませんか
「気をつけ!」「礼!」「姿勢を正してください」
今どきの学校ではどうか知りませんが、私が子どものころ、授業はいつもこんな号令で始まっていたように思います。
姿勢を正そうと頑張れば頑張るほど、心身を緊張させ、固めてしまい、結果、姿勢を崩し、それはいろんな不調につながっていくそうです。
筆者の大橋しんさんは理学療法士。アレクサンダー・テクニーク国際認定教師でもあります。
アレクサンダー・テクニークとは、よりよく生きるために体と心の扱い方を学ぶ学問。「しようとしていないのに、無意識にしてしまっていることをやめていく、引き算のメソッド」だそうです。
実践する有名人は、ポール・マッカートニーやスティング、キアヌ・リーヴス、松任谷由実と紹介されています。
魔法のフレーズをとなえるだけで、腰痛、肩こり、ひざ痛などの関節トラブルに限らず、むくみ、高血圧、うつまで、体と心の緊張が原因の不調をやわらげる効果があるそうです。
〈魔法のフレーズ〉は全部で10個
1 頭の中で小舟が静かにゆれています。
2 背骨が鎖のようにゆれています。
3 目玉はいつも水の中で漂っています。
5 春、アルプスの雪が解けるように、両肩がゆっくり離れていきます。
8 骨盤はワイングラスの底。いつも静かにゆれています。
生まれたときからねこ背の人はいません。
それが成長とともに社会の中でたくさんの「思考」や「言葉」を用いるようになり、損得勘定やストレスで少しずつ体が筋緊張に縛られていくようになる。いつしかその筋緊張に慣れてきてしまい、体の荷重バランスを崩し、「本来あるべき自然な姿勢」をどこかへ置き忘れてきたかのように、姿勢を悪化させてしまうわけです。
さし絵つきで解説されていますので、わかりやすくてすぐに取り入れることができます。
10個全部となえても大体1分で終わります。
わたしが気に入ったのは1番、2番、8番。
ちょっとしたあき時間につぶやくことで、例えば、スーパーのレジ待ちでイライラするなどということがなくなるそうです。
注意を一言
このメソッドをすると、女の人はみんなきれいになるそうです。
これ以上美しくなって困るという人はやらないほうがいいでしょう。
2021年6月06日 第1刷発行
2021年8月12日 第4刷発行
飛鳥新社
定価 本体1000円+税