著者の樺沢先生は、「はじめに」の中で、「読んでも忘れてしまう読書」なんかやめちまえ(もうちょっとお品のいい言葉で)とおっしゃっています。
そんなものは年間100冊読もうが時間の無駄だとも。
先生、正直に言います。
先生のご本『読んだら忘れない読書術』を読んだことすら忘れてました。
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先生:コトラーさん、どうして忘れてしまったと思いますか。
コトラー:まずアウトプットしてなかったですね。
先生は1週間で3回アウトプットしなさいとおっしゃってます。
すなわち、読んですぐ誰かに話す。
ツイッターなどで感想をつぶやく。
ブログにレビューや書評を書く。
先生:そのとおりですね。
コトラーさんは、ブログを始めてるので、アウトプットに関しては実践されていますね。
コトラー:はい。先生のこの本は読んだことすら忘れてましたが、潜在意識のどこかに残っていて、ブログを始めたのではないかと思っています。
先生:コトラーさん、「読んだことすら忘れた」と何度も言うのはやめてくれませんか。著者としては、すごく傷つきます。
コトラー:あ、申し訳ありませんでした。本当のことでしたので。
先生:ところで、コトラーさんはなぜ私の書いた本を読んだことを忘れていたと気づいたのですか。
コトラー:はい。一応、読書ノートのようなものがありまして、先生のご本の要約が書いてあるページを見つけました。わざわざ『読んだら忘れない読書術』と「忘」の字は赤いボールペンで、ほかは青いボールペンで書いてありました。
先生:それは、ちょ、ちょっと、うれしいですね💦
読み直してみて、気づいたことはありますか。
コトラー:本の中で先生も、「本は頭から読まなくていい」、「目次を読んで自分の知りたいところにワープする」とおっしゃっていたのですが、前回もやっていたのを思い出しました。
先生:コトラーさんがワープしたのはどこでしたか。
コトラー:先生が精神科医になったきっかけの部分です。前回同様でした。
先生:『ドグラ・マグラ』(夢野久作)が運命の一冊だと述べている部分ですね。
コトラー:はい。それで、また『ドグラ・マグラ』を読むはめになって、ブログをアップするのに時間がかかりました。
先生:『ドグラ・マグラ』はどうでしたか。
コトラー:前回同様途中でやめましたが、少しわかったような気がしました。私も頭がおかしくなったのかもしれません。
先生:それは困りましたね。
私は精神科医として「日本人の自殺、うつ病を減らす」というミッションを掲げています。
さらには、精神疾患に限らず、「病気で苦しむ人を1人でも減らす」ことを、活動の基本に置いています。
病気の予防についての本は、書店に行けばたくさん並んでいます。そうした本を一般の人は読むのかというと、ほとんど読まないのです。
病気になった患者さんに病気についてわかりやすく書かれた小冊子を渡しても、患者さんは読みません。そこには病気を治すために患者さんがすべきこと、できることが全て書かれていますから、それを読んで実行していただければ、病気を治すのに大いに役立つはずなのですが、そうした本を読まないのも、普段から本を読む習慣がないからです。
したがって、病気にならない知識、病気の予防につながる知識、病気を治す方法を1人でも多くの人に知っていただくためは、読書を習慣にする人を増やし、日本人の読書量を増やすしかないのです。
これが、精神科医の私が「読書術」の本を書いた本当の理由です。
コトラー:先生、それは「おわりに」のまんまですね。
先生:コトラーさんのブログはいつもそうですよ。
コトラー:それはそうでした。
ところで、先生のブログに行くと、有料のファンクラブに入るよう勧誘されますが、本当は金もうけがしたいだけなんじゃないですか。
先生:そんなことないです。会費なんか経費にもなりません。赤字覚悟でやってますから、お得ですよ。ぜひ、コトラーさんもファンクラブに入って、一緒に朝散歩しませんか!
コトラー:い、いや、考えておきます。
先生:即断即決は自己啓発本の肝ですよ。
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ここまでは、私の妄想ですが、先生は作者と実際に会って、作者の人となりを知ることでさらに記憶が定着するとおっしゃってます。
わたしにとって読書は楽しみのひとつです。何かを得ようとか、あんまり考えてない。本当はノートもとらなくていい、覚えておかなくてもいい、その時間を楽しく過ごせればいいくらいの軽い気持ちで読んでます。
それでも、樺沢先生は言ってます。
自分が「気づき」を得た部分、マーカーでラインを引いた部分などを紹介して伝えると、「気づき」を共感することになり、相手は本を読まなくてもそれだけでためになるのです。
読者の皆さんにとって、いつかそんなブログになれればうれしいです。
2015年4月20日 初版発行
サンマーク出版
定価=1500円+税
最初に読んだ日:おそらく2017年ごろ
2021年8月14日再読