Q アルコールとは、いったいなんでしょう?
1嗜好品 2食品 3薬品
自分でも気づかないうちにアルコールに依存していく背景には、飲酒のデメリットに対する認識の甘さや誤解もあります。(「はじめに」より)
上の問題の正解は3
脳と身体への影響を考えるとれっきとした「薬物」なんだそうです。
禁煙が常識となったように、これからは禁酒、断酒も常識になるかもしれないと筆者は言います。
そのためには、アルコールと依存症に対する正しい理解が、本人だけではなく周囲の人にも必要でしょう。
適切な飲酒量
男性 1日のアルコールの量20gまで
(ビール500ml、日本酒な1合、ワイングラス2杯程度)全部じゃないよ。
女性はその半分、つまり1日10g
(ビール250ml?すくな!と思った私は危険かも)
遺伝的にも性格的にも依存症になりやすい人とそうでない人がいるようです。
性格的に依存症になりやすいのは
頑固で完璧主義、「いい子」「優等生」と言われる人、のめり込みやすい人
最終的にお酒がなくてもやっていけるようにするには、飲酒のメリットとデメリットを考えることが役立つようです。
お酒を飲まないメリット
・ぐっすり眠れるようになる
・夕食の量と体重が減る
・肌の調子がよくなる(3か月)
・出費が抑えらえる
・思考がクリアになる
・時間にゆとりができる
いいことづくめですね。
肉体的には「飲酒のメリット」はゼロだそうです。
アプリや飲酒日記で飲酒を「見える化」することも効果的だそうです。
週に2日、休肝日を設けるなどは、もはや常識ですね。
とはいっても、依存症にまで進む人にはそれまでの生育状況や現在置かれている状態に大変なストレスがあることも指摘されていました。
うつ病の治療を受けながら、アルコール依存を隠す患者さんもいるそうです。
芸能人が薬物で逮捕されると、一時的にせよ芸能活動から追放され、社会的に制裁を受けますが、厳罰化だけでは救済できないでしょう。
本人は薬物やお酒を辞められない自分を恥じており、死んでしまいたいとさえ思っていることもあるそうです。
それを自制心のなさとか、甘えとかで批判するなら、回復の機会を奪うことになるかもしれません。
お酒を飲みながら運転してしまう人などはまさしくアルコールに依存しているのでしょう。
子どもの列に突っ込まれでもしたらたまったものではありませんし、それは許しがたい行為で、また許されるべき問題ではないでしょう。
だけど、薬物に依存する人がそうしないで生活できるように助ける社会が、結局、私たちにとっても安心して暮らせる社会なのかもしれません。
そんなことまで触れられていて、考えさせられる内容でした。
巻末おすすめサイト一覧
●アルコール依存症治療ナビ
http://alcoholic-navi.jp/
●減酒.jp
http://gen-shu.jp/
●依存症対策全国センター
2020年12月20日 第1刷
青春出版社
1400円+税