6月21日からほぼ毎朝歩いておりまして
樺沢紫苑さんは、起床後1時間以内に15~30分の散歩を推奨しておられますが、佐藤富雄先生のおすすめは60~90分(昔の本だからね)
わたしも1時間くらい歩いちゃいます。
佐藤富雄先生が紹介しているのはKIMIKOウォーキング。
背筋を伸ばして、ウエストから下が脚だと思って歩きます。
この歩き方がですね、10日目くらいに急にできるようになったような気がするんですよ。
歩くだけでも、少し筋肉つくんですかね。
私は筋肉隆々というタイプではないです。(ふつうそうだよ)
だけど、筋トレはしたくない。
それは多分、昔読んだ『悪女について』(有吉佐和子)の影響だと思います。
きょうは枕長いね。
男を手玉に取り、豪奢な暮らしを楽しむ実業家、富小路公子が不審な死を遂げる。
生前交流のあった27人が1章ずつ語っていくという体裁の小説です。
この女がね、年下の彼氏に言うのよ。
「私あなたより4つも年上なのよ」
本当は14歳年上だけど、もともと美人で金もかけてるからとても40歳には見えない。(私みたい、嘘です)
悪女なんだけど、はかなげで、仕事が忙しいから低血圧で倒れたりするんですね。
だから若い男が運動したほうがいいと言います。
すると女は「でも、体操すると、あなたが好きだという柔らかい躰ではなくなってしまうわよ」
どうですか、熟女の皆さん、男は柔らかい躰が好き!
そのままの、ありのままの、あなたのままのぷよぷよでいいのですよっ。
一緒にするなって?失礼しました。
有吉佐和子といえば一番好きなのは『一の糸』なんですけど、どれか一冊を選べと言われれば『香華』です。(誰も選べって言ってないって)
娼妓にまで身を落とす、奔放な母親に翻弄されながらも、健気に母親を支える朋子。
あれほどまでに迷惑をかけられた母親が亡くなったときの嘆き。
こういう物語を読んだ記憶が、どん底のときの私を支えてくれたんだな。
(いつ、どんなどん底を経験したって?)
有吉佐和子を読んだら、ぜひ、読みたいのが娘の有吉玉青が書いた『身がわり』
ダメママもいれば、すごすぎるママもいます。
女の子なら、ある時期まで、大抵はお母さんにかなわないものです。
何をやってもお母さんはちゃっちゃとこなす。
ケーキを焼いたり、パンをつくったり、それはそれは魔法使いのようです。
ふだん可愛がってくれるお父さんだって、いざとなれば「お母さんの言うこと聞きなさい」とか言うんだぜ、ちえっ。
並の母親だってそうですから、母親が人気作家って、つらいものがあります。
作文を書こうとすれば、あの有吉佐和子の娘だから、いいものを書くだろうというプレッシャーにさらされ、お友だちが家に遊びに来れば、お話し上手の母親が人気をさらってしまう。
二十歳でイギリスに留学することにした玉青ちゃんは、そんな母親を誇らしく思うも、うっとうしくも感じてました。
ステイ先の電話に代わってあげる、送って行ってあげるという申し出もみんな断ってしまいます。
そこで、むくれるのはお母さんの有吉佐和子。
「あなたは何もやらせてくれないんだもの」
寂しかったんだろうね。
謝ろうが、引き留めようが今度は帰ると言い張って聞かない。
二人とも強情です。(親子だから)
有吉佐和子が亡くなったのは1984年(昭和59年)8月30日
53歳、急死でした。
玉青さんは21歳。
本当は大好きだったおかあさん。
自立しようという、反抗的なときに亡くなってしまった。
泣けます。
喪主の玉青さんは告別式でつとめて元気に声を張り上げた。
「……大好きな、自慢の母でございます。これからは、娘として、誇りを持って生きてゆきたいと思います」
あー書いてて涙出てくる。
『悪女について』有吉佐和子/昭和53年9月(新潮社)
『香華』有吉佐和子/昭和37年12月(中央公論社)
『身がわり』有吉玉青/1989年3月(新潮社)