カビが気になる季節になりました。
エアコンはフィルターだけ掃除しても中にカビが発生していること、洗濯槽の裏側はカビだらけなこと、近年、話題になりました。
筆者は住環境のカビについて研究し、住宅、エアコン、洗濯機などのカビの生態を解明。
「洗濯機のカビ」は女性週刊誌でも大きく取り上げられ、週刊誌に図が載った研究者は滅多にいないと、今でもその週刊誌を大切に保存しているそうです。
空気中のカビが、呼吸器疾患やアトピー性皮膚炎などのアレルギー反応を引き起こすのに対して、食品のカビを直接口にすることによる健康被害は発がん性など、すぐに表面化しないもの。
餅の黴落として春を待ちにけり 鈴木真砂女
20年ほど前までは、年配の主婦の多くは「餅のカビは食べても大丈夫」と思っていたそうです。
カビの有毒性が広く認識されるようになった今ではそんなことはないでしょう。
室内でよく採取されるカビは白癬菌。
水虫の自覚がない人の家にも繁殖しているそうで、整理整頓、清掃の大切さを再認識しました。
話題の食べるカビやビールやチーズなど、カビを利用した食品も紹介されています。
腐敗と発酵は「微生物が活動して食品を変化させる」という同じメカニズムで、違いは人にとって役に立つか立たないか。
人間の都合でカビや細菌を迷惑がっていますが、私たちはたくさんの微生物に囲まれて生きてるってことですね。
「かんじんなことは目に見えないんだ」(『星の王子さま』サン=テグジュペリ)
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