2009年にイギリスで行われた調査によると、音楽鑑賞や散歩、お茶やコーヒーを飲む、ビデオゲームで遊ぶといったさまざまなリラックス方法のうち、最も効果的な方法が読書であることがわかりました。ストレスレベルを68パーセントも引き下げたのです。
アメリカ、イエール大学の研究チームが12年間にわたって行った調査では、読書をする人は、読書をしない人に比べて2年間も長生きするということがわかっています。(まえがきより)
読書の力でうつ病を克服したという筆者は、日本読書療法学会を自ら立ち上げ、読書セラピーの普及に取り組んでます。
幼少時に親の仕事の関係でメキシコで暮らし、小学校入学前に帰国したものの、日本の学校になじめず、いじめに遭う。3年生で再び、コロンビアへ。治安が悪い国で、気分が沈みがちに。中学校入学直後にベネズエラに。「なんでわたしばかり」との思いから、精神不安定になり、薬物に依存するように……
このままではいけないと、本を読むようになります。
はじめは、読解力がすっかり落ちていて、写真集のような字のないものから、少しずつ、小説、エッセイ、詩集、ビジネス書、自己啓発本、マンガを読むようになり、徐々に徐々に回復していったそうです。
それまで、ぐちゃぐちゃ不平不満を口にすることが多かったのが、言葉の力を認識し、使う言葉を変えることで人生が大きく変わっていきました。(本文)
『奔放な読書』(ダニエル・ぺナック)から「読者の権利10カ条」が紹介されています。
1 読まない
2 飛ばし読みする
3 最後まで読まない
5 手当り次第に何でも読む
8 あちこち拾い読みする
9 声に出して読む
10 黙って読む
読書セラピーでは速読ではなくゆっくり読むのがお勧めです。
症例別のおススメ本
・閉塞感を覚えるとき:『そこにシワがあるから』(松澤等)
・外に出られないとき:『言葉のかたち』(おーなり由子)
・自分の中に凛としたものが欲しいとき:『落ちぬ椿』(知野みさき)
腰痛には『夜と霧』が挙げられてますが、私のおススメは『椅子がこわい』(夏樹静子)
日本読書療法学会では『言葉の色彩と魔法』(ラフィク・シャミ)という本でセミナーも開いてました。
こちらも読んでみたい本です。