今月の「私の履歴書」は吉行和子さん。

今日は宇野重吉さんとのエピソードが取り上げられています。

 

劇団民藝の研究生のうちに「アンネの日記」で主役に抜擢され、その後劇団員となり「ポーギイとベス」「火山灰地」「夜明け前」などでいい役をいただいという吉行さん。

 

実力が追いつかず、稽古をとめてしまうこともしばしばだったといいます。

 

そんな吉行さんに宇野重吉さんが言った言葉

「君は下手なんだから、他の人の100倍も200倍も、役について思わないといけないよ」

自分が演じるのはどんな人間なのか、深く深く考えろということだそうです。

 

1930年代の北日本の農家を舞台に、厳しい自然に苦闘する人々を描いた「火山灰地」で、吉行さんの役は、金持ちの青年に乱暴され、父親の分からない子を宿してしまった少女、しの。さまざまな思いに胸が張り裂けそうになりながら、恋人の治郎に会いに炭焼き窯まで歩いていく場面がどうしてもできなかった。

 

宇野さんに稽古を見てもらっても、まだできない吉行を、民藝は北海道の十勝に行かせ、実際に炭焼き窯のある土地を歩かせた。

 

「当時の新劇の劇団はそこまでやった」

(月影先生はいたんだ~)

 

果たして、吉行和子は「しの」を演じられたのか。

今日の記事ではそこには触れていませんでした。

 

若いときの吉行さんはとてもチャーミングです。