東日本大震災の被災地に対する作家の働きかけが紹介されていました。
柳美里さんは2015年、鎌倉市から南相馬に移住、18年には書店「フルハウス」をオープン。
「地元から本屋が消えたので、文化芸術を発信できる場所が必要だと感じた。自死や孤独死の問題もあった。本は一冊一冊に別の世界がある。現実は苦しくとも、無数に世界があることを空間的に示せるのが本屋だと思った」
柳さんは、鎌倉で1人パソコンを打って創作するスタイルから、人が出入りする中、スマホで小説を書くようになったそうです。「JR上野駅公園口」もそうして書かれたということです。
古川日出男さんは、被災地を歩き、被災した人の声をただただ聞いて、考え、「ゼロエフ」(講談社)というルポにまとめています。
「発言の一部を抜いてこの人はこうだと差し出すのは簡単だが、その発言は全体の1%にも満たない。震災で引き起こされたことも人の思考も感情も複雑だから、この複雑さだけを形にすることができた気がする」
両方読んでみたくなりました。
お読みいただきありがとうございます。