著者の城アラキさんは『バーテンダー』『ソムリエ』などの漫画原作者です。
日本中のバーに行かれたんじゃないかという城さんが、バーのうんちくを語ります。
大人の教養ですね。
「バーは女を口説く場所ではない。口説き終わった女を連れていく場所だ」
これは知らなかった。いつも口説かれるから。(嘘です)
あちらの客に一杯も迷惑行為なんだそうです。
大声で話すこと、酔っぱらうこと。全部無粋。
日本のバーは特殊で茶室のおもてなしにも通じるというのがおもしろかったです。
ちょっと緊張する。
その緊張感が心地よいんですね。
【向田邦子の最後の一杯】なんていうのも紹介されてました。(最近、はまってますね)
1981年夏、東京・南青山
「お任せで一杯。私のイメージで」(これも向田邦子以外はやってはいけないそうです)
このときバーテンダーは、作家の胸を飾るブローチの色に合わせ「ブルーキュラソー」とスモモ・リキュールの「ミラベル」、そしてレモンジュースを加えた一杯を作った。
「このカクテルの名前は?」
「それは、お客様が旅行からお戻りになられたら相談しましょう」
作家は旅立ち、二度とバーには戻らなかった。
青山「Bar Radio」のバーテンダー尾崎さんが作ったこのカクテルには名前がまだないそうです。
巻末には厳選バーリスト100が掲載されています。
憧れの山形県酒田市からは「ケルン」
静岡は名店が多いようで、10軒も紹介されていました。京都、大阪の倍ですよ。
沖縄県の掲載はなし。
茶室というイメージではないですね。著者の好みだと思いますけど。