人がいやがることは自分にもするな
「自分で自分を苦しめるなんて、正しいはずがないではないか。なぜなら、私は他人に対してすら、意図的に苦痛を与えたことなどないからだ」
マルクス・アウレリウスは、紀元前2世紀のローマ皇帝。五賢帝に数えられ、マンガ『テルマエ・ロマエ』にも出てきます。
『自省録』の原題は、「彼自身のために」という意味の「タ・エイス・ヘアウトン」
人に読ませるためではなく、自分のために書き続けた「瞑想記録ノート」です。
熱心な愛読者の一人に17世紀スウェーデンのクリスティナ女王が挙げられています。
「ウェストファリア条約」の締結を促進し、キリスト教徒どうしが血で血を洗う「宗教戦争」を終わらせるにあたり多大な貢献をしたといいます。
「書くエクササイズ」は「セラピー」でもある
『自省録』は、「書く」という「スピリチャル・エクササイズ」として実践された。
就寝前の瞑想で一日の振り返りを行い、胸中の思いに対して自問自答し、最後に結論として自分を戒め、自分を叱咤激励することばを書く。このプロセスがセルフセラピー(=自己治癒)にもなっていることが、本文を熟読していると理解されることだろう。~はじめにより
苦痛の原因は考えても仕方ない
「自分にとって苦痛に感じるものがあるだろう。それについて考えるのをやめてしまえば、完全に安心できるようになる」