はじめにお断りしておきます。

私のような素人が、本を一、二冊読んで分かったところだけを抜き書きする。

それをブログなんかに上げて、読んだ人が事実と思い込み拡散していく……

そういう迷惑な状況が多々あるそうです。

 

では、始めます。

 

ワクチンについて知りたい。

新型コロナウイルスについては、昨年の4月か5月、雑誌の特集を二、三冊読んだきりで、理解が止まっていました。

 

新型コロナウイルスワクチンの接種を検討せねばならない今、(略)自分の頭で考える基礎的な部材となるような知識を、ド素人の私にも分かるように、語ってくれる人はいないのか。「ぴったりの方がいるわよ」とつないでくれた方がいて、米国在住の峰宗太郎先生へのインタビューが実現しました。(「はじめに」より)

 

この「はじめに」が、まさに私の思いでした。

 

共著の山中浩之さんは、1964年生まれの日経BP編集者。

峰宗太郎さんは、「ウイルス免疫学」といって、ウイルスとは何か、ウイルスに薬をどうやって効かせるか、そういった仕組みについての研究、それらを利用したワクチンの開発などを行っておられる医師です。病理診断医でもあります。(「フラジャイル」ってまんが知ってますか。おもしろいですよ)

 

山中さんが、峰先生にスカイプでインタビューした内容がまとめられています。

 

新型コロナウイルスの基礎知識から分かりやすく説明していただきました。

ワクチンについても、治療薬との違い、薬が効くといったときの、医師と素人の意味の受け取り方の違い。大変興味深かったです。

 

ワクチン開発の歴史が、ジェンナーの種痘から説明されていました。(懐かしいですよね、ジェンナー)今開発されているのは、核酸ワクチンやベクターワクチンというもの。その仕組みも薄っすら分かりました。

 

本当は20年、30年ぐらい先に開発されるものだったのが、この世界的な大流行のため、お金や人が投入されて、あっという間にできてしまった。なので、理論的には効くだろうということですが、実際に打ってみないと、効き目や副反応(副作用は正確ではないんだって。細かい)がどうなるかはまだ分からないということは理解できるところです。

 

まだまだこの流行は続いていますし、今後も続くことになります。誰か専門家や一部の人が対策してどうこうなる、というものではなく、全国民が、世界中のすべての人が、適切に情報を得て行動をしていかなければならない。そういうことが必要な時代になったのは明らかです。

 

このコロナ時代において、情報にいかに接し、いかに考え、いかにそれを使って困難に立ち向かっていくか、それを個々人が、しなやかに強く、コンスタントにたんたんと行っていくことを考え、実行していただきたい、ということなのです。(あとがきより)

 

情報の出どころをよく考える。権威ある誰かが言ったからという理由で信じてはいけない。なぜそう言えるのか、確かな根拠はあるのか、そういうことを自分の頭で考えなければならないということのようです。

 

峰先生は、「峰」が言ったからという理由でも信じてはだめだとおっしゃいます。専門家の専門外の発言にも騙されないようにと。(何かにすごく詳しいということは、ほかのことはあまり知らない可能性もある)

 

今は将来の見通しについて確かなことはないのだそうです。将来確実にこうなるという人は、大体うそつきだとおっしゃいます。断定的なことを言う人にはご用心。

 

難しい話には図や挿絵が入り、とても分かりやすいです。峰先生がバーッと専門的なお話をされると、山中さんが待ったをかけてくれて、何とかついていくことができました。

 

「不都合な真実」というほどのことでもないような気もしますが、読んでよかった一冊でした。(タイトルは大事だよね)