あらすじ

1990年、ソ連からイスラエルへ移民したヴィクトルとラヤ。2人はソ連に届くハリウッドやヨーロッパ映画の吹き替えで活躍した声優夫婦だった。第2の人生を謳歌するつもりで移民をしたものの、イスラエルでは声優の需要がない。生活のためにラヤは夫に内緒でテレフォンセックスの仕事に就き、思わぬ才能を発揮し、ヴィクトルは、違法な海賊版レンタルビデオ店で再び声優の職を得ますが……

 

ソ連崩壊後、100万人のロシア系ユダヤ人がイスラエルに移住したといいます。

何とイスラエルの人口の2割を占めるほどになったらしい。

その多くはヘブライ語を話せず、移住のピーク時には失業率は40%にも上ったとか。

 

映画の主人公たちも例外ではなく、職を得るのに苦労し、おりしも勃発した湾岸戦争に震えます。空襲警報が鳴る中、ガスマスクをつけて部屋の隅に固まるのですが、ラジオもテレビもヘブライ語、言葉が分からなかったらどんなにか不安だったことでしょう。

 

そんな中、噴出する、お互いが長年気付かないふりをしてきた夫婦の「本当の声」が、フェリーニなどの名作へのオマージュを交えながらコミカルに描かれます。

ラヤの客のゲラが乗っている車がラーダ ニーヴァなのもぐっとくる。

 

監督も出演者もみんなロシアからの移民。

世界にはいい役者さんがまだまだいるのですね。

 

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