筆者の山田剛さんは子どもの頃から本屋が大好きで、彼にはいつか図書館司書になるという夢がありました。大学卒業後、就職した会社を2年で辞め、図書館に勤めるための試験勉強を始めるためバイトを探しているとき、いつも行っていた本と雑貨のお店で働くことになります。
当時、個人商店だったそのお店ヴィレッジヴァンガードはそれから全国展開し、山田さんも拡大の先頭に立ち、お店を発展させます。
忙しい毎日の中、もともと甘いもの好きで偏食だった山田さんは体重80キロ、ウエスト100センチになり、仕事でも結果を出すことができず、20年勤めた会社を辞め、本屋さん巡りを始めます。
たくさんの本に目を通すうちに、自然と関わる仕事のことを考え考えるようになり、伊豆にある「ふるさと村」に出会い、通うようになり、住み込むようになり、遂には小屋を建ててしまうというお話です。
「ふるさと村」を主宰されている秋山龍三さんは、文学青年を目指すものの芽が出ず、お寺の軒下で一夜を明かしたことが縁でお寺に5年間居候し、その後、NHKの台本や「水戸黄門」のシナリオなどを書くようになったという経歴。
営利だけが目的の学習塾のあり方に怒り、「生活力が身につけば学習は自ずからできる」との信念で自ら塾を立ち上げ、塾の休日に埼玉から伊豆に通い、森林を開き「ふるさと村」をつくったのだそうです。
山田さんのダメダメな食生活や秋山さんと出会ういきさつや出会ってからのこと、ダメダメな料理っぷりなどがイラストや漫画で書かれているのが分かりやすい。
お母さまが亡くなってからロクな食事をしていなかったお父さまの末路から、食事の大切さを考える山田さん。
食生活を変えてから、体重が減り、汗をかくようになり、日に当たっても平気になり、花粉症が治り健康な生活を送っておられますが、そこに至るまでの紆余曲折が語られます。
せっかく元気になってもレトルトカレーを食べたり、楽に流される弱い姿が正直に描かれているのもおもしろい。(だって人間だもん)
秋山語録を1つだけ
「食べることは、生きることと同時に、死に近づくこと(命を縮めること)」
内臓は消耗品なので、人が一生で食べられる量は決まっている
現代人は、食べ過ぎ。それが不調や病気を招いている。
食べ過ぎで、うんこ製造機になっている。
山田さんはふるさと村で食べた献立を722食記録しているのですが、玄米(または白米と麦飯)お味噌汁、漬物、梅干し、小魚、豆、野菜のゆでたり、煮たり、焼いたりしたものなど
たまにカレーや餃子などもあって、とてもおいしそう。
調味料は醤油とみりん、塩、味噌、酢とシンプル
昔ながらの製法で作られた本物をとのことです。
病気を治したり、体調不良を改善する場合を除いて、これを食べてはいけないとか、あれは毎日食べないといけないとか、強制したり我慢させたり、強迫的に思い込ませること自体がストレスになり、こころにもからだにも悪い影響を与えると常々おっしゃっていたそうです。