日経新聞12月4日夕刊プロムナード

 

仏教学者の佐々木閑さんが、鎌倉の名刹円覚寺の横田南嶺老師が円覚寺の座禅で警策(けいさく)を廃止されたお話を紹介してくれています。

警策とは、座禅を組んでいるとき、居眠りしそうになった人を後ろからパシッと叩くためにお坊さんが持っている長い棒のこと

 

なぜ

 

この警策というシステムは実は江戸時代以降使われるようになったのだそう。

南嶺老師はこれは釈迦の想いに反するのだとおっしゃいます。

釈迦は「なにがあっても、たとえ愛の鞭であろうが教育のためであろうが、他者に手を上げてはならない」と厳しく戒めた。どんな動機であろうが、人に手を上ている姿そのものが慈悲に反していると説いたそうです。

昨今の暴力反対対策かと思ったら、釈迦の心に戻ったというわけですね。

 

記事は、私たちが守っている伝統や習慣には、歴史的背景があって、安易に批判したりするべきではないが、よく考えれば不合理、不必要なものも見つかる。

今のこの在り方は果たして本当に正しいのだろうか。どこかに錯覚や思い込みがあるのではないか。どこかに直すべき点があるのではないか」と自覚し続けることも必要だろうと続けます。

 

ずっと続いてきたことをやめるのは簡単ではないですし、疑問にも思わないこともあります。

なぜ、自分がこれをしているのか、本当にやらなくてはならないことなのか、よく考えたいものですね。

 

★円覚寺のホームページには官長のページというのがあって、ほぼ毎日更新で南嶺老師の「今日の言葉」を読むことができます。

 

本日もご訪問ありがとうございました。

よい週末をお過ごしください。