詩人の谷川俊太郎さんと歌人の岡野大嗣さん、木下龍也さんによる詩と短歌の「連詩」
連詩とは、複数の詩人が数行の詩を交互に書き連ねていく詩の形式です。
これは短歌と詩というところが珍しいのかな。
自由な「詩」という形で歌人を翻弄していく谷川さん。
五七五七七に縛られながら苦闘する歌人たち。
普通であれば同じ場所で詩を紡いでいくのだそうですが、今回は各人が前の詩を受け取って、続きを書くという。
後でみんなで語り合う「感想戦」も収録されているのですが、そこで初めて明かされる作者の意図があり、「ああ、そういうことだったのか、全然違うふうに受けていた」とかあって興味深い。
本編とは関係なく収録されている谷川さんの詩で心に残ったものがあるので書き留めておきたいと思います。
どっかに行こうと私が言う
どこ行こうかとあなたが言う
ここもいいなと私が言う
ここでもいいねとあなたが言う
言ってるうちに日が暮れて
ここがどこかになっていく
~「ここ」谷川俊太郎『女に』に所収~
今の気分にぴったりです。