久しぶりに日曜14時から放映されている「ザ・ノンフィクション」byフジテレビジョンを見ての感想を書きたいと思います。
率直な感想は久しぶりに「つまらなかったなあ」。
まあ、番組概要を見たときから、これは数年前に愛知県のどこかの駅前で、無料で「聞き屋」ということをしている男性とほぼ同様の匂いしかしなかったのですが、予想は見事にあたったという感じでした。
タイトルがまずこれ。
「100億円の人生相談~満たされない心のゆくえ~」
【番組概要】
年商100億円超のIT企業を経営、名だたる企業の立ち上げにも関わり、富と名声を手にした男は、ある日、全てを捨てることにした・・・
「ジモティー」「グルーポン・ジャパン」「17LIVE」・・・誰もが知る企業の経営や設立に関わってきた小野龍光さん(51)。地位もお金も手に入れ、誰もがうらやむような成功を収めながら、胸の中に抱える違和感は大きくなるばかり・・・「どれだけお金を稼いでも、心が満たされない」。
勝ち続けてきた人生の末に下した決断。それは全ての仕事を手放し、IT長者としてのキャリアを捨て去ることだった。
4年前、小野さんが向かったのはインド。そこで頭を丸め、僧侶の見習いとなる。得度を経て、お金という数字から解放された彼は、残りの人生を他者の幸せのために尽くすと決めた。
そんな彼が始めたのが無料の人生相談。“成功者”として知られる小野さんのもとには、相談者が後を絶たない。
仕事や人間関係の悩み・・・満たされない心の形は様々だ。
都内で出会ったのは人間関係に悩み、変わりたいと願う30代の男性。小野さんとともにインドへ渡ることに。現地には「少しでも前に進みたい」と願い、はるばるインドまでやってきた多くの日本人相談者たちの姿があった。
番組をTVerで見終わり、再度概要欄を読んで
おいおい、嘘ばかり書くなよ
と久々に怒りみたいな感想がわきました。
まず、「全ての仕事を手放し」というところ。
そう聞けば、多くの人は、お金をどんなに稼いでも満たされないという精神的な飢餓感を抱え、今後の生き方を見失い、いろいろなものを捨ててインドに行った人を想像すると思いますが、ただのFIREした人でした。
FIREの後、連日パーティーをしたり旅行三昧したりするのか、インドに行ってみたのか、だけの違い。
仕事は捨てたのではなく働く必要がなくなっただけ。
彼は何も捨ててなかったですよ。
暖炉がある箱根の邸宅にキャリアウーマンの妻と2匹のサモエド犬と暮らしてましたよ、服装だけなぜかインドの修行僧の格好をしてましたが。
で、
残りの人生を他者の幸せのために尽くすと決めた
相談者が後を絶たない
と書かれているけれど、そんなシーンあったっけ?
新橋で修行僧の格好をして本を読んでいたら、一人の男性が助六寿司を差し入れしていたシーンはありましたが、のちに明かされたのは、その男性は小野さんをYouTubeの題材として追い続けたいというビジネス目的の人。
しこみじゃないか。
そして、
その男性と小野さんがやってきた現地(インド)には「少しでも前に進みたい」と願い、はるばるインドまでやってきた多くの日本人相談者たちの姿があった。
とも書かれているが、不動産や動画配信などで若くして大金を手にした20~30代くらいの男性たちがインドに来て頭を坊主にして修行僧の格好をして
ウェーイ!
とみんなで記念撮影をしたり動画撮ったりしているだけだった。彼らからは人生に悩み葛藤して「少しでも前に進みたい」なんて思いは微塵も感じなかったですが。
そこから最後の方であかされるカラクリ。
なんと小野さんのいる宗派?では、得度(出家して修行者・僧侶となること)は坊主にすれば誰でもなれるのだそうです。
そりゃ暇を持て余したり動画のアクセスをあげたい配信者が
「ちょっとインド行って頭を坊主にして僧侶の真似事してみるわ」
ともなりますって。
昔の「ザ・ノンフィクション」はディレクターがもっと率直に突っ込む場面があった気がするけど。
それにしても富裕層ってすごいなあ。
宗教すらもエンタメ化してしまうんですものね。
世も末だわ。
もし!そうした傲慢さを感じ取って欲しいと制作が裏メッセージを意図的に込めていたのだとしたらそれは大成功の番組だったと思いますが。
ほんと、カウンセラーとしては「人の相談にのる」とか「人を救う」とか軽々しく扱われているような今回はいわゆる胸糞な回でした。
サモエドちゃんがかわいいのだけが救い。
注)と、ここまで書いておいて、今回は小野龍光さんが悪いのではないということは伝えておきたいです。
制作側の描き方が悪かったと思います。
小野さんってピュアっぽいから、群がってくる人の玩具にされないで欲しいです。
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カウンセラー 小日向るり子
エキサイトお悩み相談室でも待機しております。よろしくお願いいたします。
8月に初の書籍を刊行いたしました。
「何でもまわりのせいにする人たち」フォレスト出版


