数年前に隅田川にホタルがいたら…というコンセプトの下に10万個の青いLEDライトのホタルを隅田川に流すというイベントとコラボした短編集。

東京ホタルを軸に5人の作家達がそれぞれの世界観を書き上げています。

なんとなく学生時代の彼女とマンネリ気味になっている中、仲間の結婚式で昔の彼女と再会する男性の話。

戦後に戦災孤児になった主人公を何かと面倒をみてくれたアメリカ人兵士との交流を描く話。

他にも3編。

人工的なホタルの光を通して、過去への記憶をたどり、時空を超えて人々の心の交流があります。

川の流れと時間の流れとそれぞれの思いや思い出が交差する。
ノスタルジックでどの作品もどこか銀貨鉄道の夜をふと思い出させるような世界観。

最近は出かけられないので本を読む時間が増えました。
また産まれたらそんな時間も取れなくなるのかな、忙しくなるよーと経験者の人たちが言ってくれるように今だけの貴重な時間なんでしょうね。
本はあっというまに別世界へ誘ってくれる。

なんだか切ない、けれど優しい気分になる短編集でした。

今年は東京ホタル、開催されるのかな?