こないだ直木賞を取った朝井リョウさんの「もういちど生まれる」を読みました~。

さらーっと一日で読めました。

いくつかの短編が集まっていて主人公はその都度変わるんだけど登場人物は交差しています。

それぞれの角度からひとつの物事を観ることができる手法。


20歳前後の男女が傍から見るととっても充実していたりあっけらかーんと大学生活を送っていたりするように見えるんだけど実はいろんな部分を持っていたり・・・。


周りから見るととっても人生順風満帆で思わず嫉妬したくなるような人だったり、

才能とか能力(一緒か?)があってしかも運も強くて、なんて人もいたりそれに比べると私は・・・なんて思うこともあったりね、これは学生時代に限らず今でも言えたりするんですけど、

実際のところ本人はその人なりにあることで人に言えないような劣等感を抱えていたりね・・・。


大したことのない劣等感なら人に言えるけど本気で感じてる劣等感なんて口が裂けても人には言えないですからね。


そんなこんなを若者らしくさらーっと小説にしてくれた印象です。


私も学生の頃、これに近い感情を抱いてたりしてたかもなー、なんて思い起こしたり。


学生時代からずいぶん遠ざかってしまった身からするとこんなこともあったよねーっと素直に共感できたりしました。

自分は一体何者になるのか、何者になりたいのか、そして人からはどう見られてるのか、そんなことを気にしてたし悩んでたかも。

そんな若者の心の襞や危うさをそれぞれの立場から丁寧にすくい取ってくれてるなと思いました。


うん、私は好きだな、こういう感じ。

もう少し深く書き込むと深刻すぎて読みたくなくなってしまうからこれくらいの軽さがちょうどいいです。


彼の他の作品を読んだらまたイメージが変わるかな。



桜、満開になりましたー。今日は一日読書だったので明日あたり外に出て見に行こうかと思います。


ではでは。

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