以前 文庫本読んだ山内マリコさんの小説
東京住みにはたまらない
あー このホテル ここのティールーム やレストラン。 そうそう! わかるわかるの舞台設定。
主人公のお嬢様の松濤の(ちょっと古びた)お屋敷までも リアルに表現されて 映像化するのにも大変だったろうな~と。ため息
この辺りが現代的な韓国ドラマ風の豪邸だと一気に作り物っぽくみえてしまう 東京の上流階級。
かく言う私も 平民中の平民
ただ、ちょっと覗き見たこの本で言う「上の階層」が リアルに表現されていて唸ってしまうのでした。
作家のすごいところは 一般人が 感覚でぼんやりと捉えていたことを 「何で私の感じた事を知ってる?」的な正確さで言語化すること。
こう言っては失礼だけれど 本当に上流階級なら気がつかない 初見の違和感を言葉に出来るから こちらもぐぐっと引き込まれるのだと思う。
その点では 「あのこは貴族」の映像の作り手もなかなか。 私は主人公の家の窓枠にそれを感じました。
山内さんに限らず 大御所林真理子さんしかり 柚木麻子さんしかり 角田光代さんしかり 細部を表現してこその物語のリアル。
昔の作品だが 林真理子さんが 新婚夫婦のおもてなしを「ポテトグラタン」で表現したときも震えたし(大袈裟か)
柚木さんは「BUTTER」
モデルになった女性のブログを見たときにはなにも感じなかったけれど 「BUTTER」読んだあとに見たら もう 声まで聞こえてきそうだった。
そして
「八日目の蝉」や「紙の月」が有名な 角田光代さんですが 私は 「森に眠る魚」で 音羽の事件をモチーフに 小さな子供を持つ母親の真理を描いた文章に 読んでいて息が詰まりました。表題の「森にいる魚」のような気持ちになったのは忘れられません。
いま、週刊新潮で「方舟を燃やす」を連載されていますが 昭和の終わりかけ バブル に加えて オウムのような新興宗教が出て来て 世代的には自分にドンピシャ。
そこに出てくる 自然食にはまり母子関係を壊していく母親は 既視感ありすぎて目が離せません。
作家ってほんとにすごい。特に、女流作家という言い方は今時NGかもしれないけれど 女性ならではの遠慮ない、少し意地悪な視線から紡ぎ出す物語は 魅力的で ついつい手にとってしまうのでした。
熱く語ったあとはまた河豚
近くの割烹なのでお値段はちょー控えめ。
本日は唐揚げも頂きましたとさ。