水について語ろうと思う。
私は今までに3度、水に命を救われた。
といっても、実際に砂漠を旅行して干からびたというわけではなく
精神的に肉体的にも「生き返った」
と強く感じたことがあるのだ。
まず最初に思い浮かぶのは、一人目の出産の陣痛のときのことである。
里帰り出産で、さらに実家から50キロほど離れた大学病院での出産だった。
おしるしが来たので、
「とりあえず様子見で入院」することになった。
そしてその日の夜中、壮絶な戦いが始まったのだった。
当然夫は数百キロかなたの自宅でグーグー寝ている。
「初産なので多分出産は翌日のお昼くらいになるんじゃないかなぁ」
と助産師さんが言うので、私の両親を呼ぶのもためらわれる午前3時。
だんだん強く間隔が狭くなってくる陣痛に一人耐える私。
最初は助産師さんがついて励ましてくれたり腰をさすってくれていたのだが、
どうやら隣のLDRに急患が到着した模様。
重篤らしくバタバタとドクターや助産師さんたちが出入りする音が聞こえる。
その間、私は放置・・・。
3分間隔くらいの陣痛がひたすら去るのを待つ。
この夜は永遠に終わらないのか?とまで思う。
「もう限界。いままで痛いとか言わないで黙って苦しんできたけど
もう我慢してられっか
プレモとかたまひよ
には夫とか助産さんにこうやってつかまって、
背中押してもらって、とか書いてあったのに
私今一人じゃん!!
死んじゃうからね~」
と逆切れ。
その夜初めてナースコールを押した。
「どうしましたか~」
と明るい助産師さんの声。
どうしましたもこうしたもないよっ。私こんな痛いの人生初めてよ。これ多分陣痛の痛さだけじゃない気がするの。
殺す気か?!
と叫びたかったが、良識を持ち合わせた30歳の私は
「あのう、ものすごく痛くなってきちゃったんですけど・・・。」
声を絞って訴える。
「わかりました。今行きます。」
そして、
深夜勤の助産さんが、にこやかに登場。
その手には検尿用のカップに入った氷水が。
差し出されたそれを一気に飲み干すと、
なんと言うことでしょう。
苦しさが今までより3割は軽減されたではありませんか
これを「力水」とよぶらしい。
その後私はまた放置されたが、なんとか頑張り朝6時に3410グラムの男児を出産。
長い夜が終わったのだった。
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会陰切開が間に合わず、ビリビリに裂けて(アソコがね)その後、2ヶ月苦しむこととなる・・・。
ドーナツクッションとお友達♪
第2部に続く。