昨日は泣きすぎて疲れ
早くから寝てしまった。
そのせいか、夜中に目が覚めた。

夫はいまでは、私にとって
かけがえのない人だが
夫婦生活35年、いろいろあった。
喧嘩も多くしたし
夫婦の危機も何度もあった。

夫は自他とも認める短気である。
若い時は、すぐキレた。
暴力こそ振るわなかったが
テーブルを叩き、食器を投げた。
私はそんな時は意外に冷静で
「投げてもいいけど、安いものにして」
と可愛くないことを言った。

またある時、夫は
「離婚しよう」と叫んだ。
これは夫の口癖であった。
そんなことから、
とりたてて気にもしていなかった。
それでもあまりにも口走るので
仏の情けもナントカで
「あぁ、そうですか。
それほど言うなら、離婚しましょう」と
私も負けてはいなかった。
すると夫は一瞬驚いた顔をしたが
「じゃ、離婚しよう。
いつでもハンコを押す」と言う。
「何言ってんのよ。
離婚したいのはアンタでしょ。
用紙はアンタが持ってきてよ」
「そんな面倒くさいことなんかできるか」
とふざけたことを言い放った。

これでは埒があがらないので
車で30分かかる市役所に
取りに行くことにした。
近くの地区センターにも用紙はあるのだか
小さな町。なぜか躊躇してしまう。

市役所の窓口で
「あの~、
離婚届の用紙が欲しいんですけど」
と恐る恐る聞くと
「はい、どうぞ」と
いともあっさりくれた。
「あの~、失敗するかもしれないので
もう一枚もらえますか」と言うと
「離婚届の用紙なら、
あそこにたくさんあります」と
用紙がたくさん立て掛けてある
回転スタンドを指差した。
なんだ、何も緊張してもらうことは
なかったんだ。

家に戻り、離婚届の用紙を
リビングのサイドボードの引き出しに
仕舞った。
ある時、また夫は「離婚しよう」と口走った。
私は待ってましたとばかりに
離婚届を差し出した。
夫は目を見開いて後、用紙をビシッと
破り捨てた。
私はすかさず
「大丈夫よ。用紙はまだありますから」と
再び用紙を差し出した。
夫は負けずとばかり、また破り捨てた。
私も負けてはいられない。
飽きもせず、用紙を差し出した。
用紙は、こんなこともあろうと思い
10枚取ってきたのだ。
夫は次にはもう破らなくなり
それからは「離婚しよう」とは
言わなくなった。

私は夫婦とはいえ
言っていいことと、
言ってはならない言葉があると思う。
例えば
夫は「食べさせてやってんだから」
(最近は共働きが多いから死語になりつつあるが)
妻は「稼ぎもないくせに」
という言葉は決して吐いてはならないと思う。
心の中では思っていても(笑)

私たち夫婦には、その他にも
まだまだ人様には言えない喧嘩も
たくさんしてきた。
だが、そんな紆余曲折があったからこそ
いまがあると思っている。

最近、毎日ブログを更新している。
なぜか体が指を走らせるのだ。

生き急いでいるのだろうか。