地球は、人間で溢れている。
どんなに険しい山に行っても人が住んでいる。

誰とも関わりたくない。
と思ったところで
何らかな形で関わっている。
もはや逃れられない。

それは、狭い病室の中にあっても
例外ではない。
たかが4人しかいなくても
逃れることはできない。

まず、一人でいるわけではないから
室内に備え付けられた
トイレや洗面台の使用は
我先とは、いかないだろう。

テレビの視聴はイヤホンの使用。
ケータイでの送受話、面会者の訪問に
際して、周りへの気遣いなど
あたりまえのようだが
このルールを踏まえないことには
四人部屋とはいえ、
心地よい滞在は困難だ。

だから、わがままな私は、個室がいい。
だが、この部屋を借りるには
かなりの部屋代金がかかる。
市井の私には、個室を借りるなど
言語道断だ。

ただ、自分の意思とは別に
体調の悪化、症状の急変によって
個室に移ることを余儀なくされることがある。
その時は、好きな個室生活を満喫するという
余裕など、ひとかけらもないが
しばらくして、症状が安定してくると
これほどの快適な生活はない。

何の気遣いもなく
トイレや洗面台を使うことができるし
いつでも電話は送受信できる。
夜遅くまで起きていても、叱られない。
きれいな部屋で、いつも掃除がなされ
食事もちゃんと3度届く。
まるでホテル生活だ。

しかし、こんな快適な生活は
長くは許されない。
よくなれば、当然大部屋に戻される。
私にとっては、つかの間のパラダイスと
言ったところだろう。

ところが、この快適な個室生活が
嫌でたまらないという人がいる。
人と話ができないのが寂しい。
人の気配のない部屋にいる
孤独感に耐えられないと言う。

私には理解できないが
そんな人が結構いることを知った。
私より、少し年上の人に多い。

私は個室を好むわがまま者だか
一応、周りの人とうまく付き合う術は
心得ている。
また私が在室する病室は
病気の性質上、同じ病名の人で
占めることが多い。
再発など、再入院する人が少なくなく
常連として顔なじみにもなる。

このことがいいのか、悪いのか
いまでもよくわからない。
ただ私的には
正直自然になじんでいく関係性が
めんどくさい。

そうは言え
私は結構要領がいい。
表面上、愛想もいい。
少々お節介なところもあって
あまり体が動けない人の世話など
したりする。
自分の勝手な思いだが
ちょっと慕われてるんのかなと
うぬぼれたりもする。
もう一人の私から見ると
かなりウザったいですけどね(笑)

そんなブラックな二面性をもつ私が
昨日、朝から高熱に悩まされた。
堪え性のない私は
大きな声を出し、唸っている。
唸りながらも
周りの人が心配しているのが、わかる。
解熱剤を飲み、抗生剤が繋がれた。
午後から徐々に熱が下がり
楽になってきた。
隣のベッドの人が
あまりにも苦しそうだったので
私までつらくなって。
どうにかしてあげたいと願っていたと
言われた。
他の人からも、よくなってよかったねと
声をかけられた。

みなさん、めんどうくさいなんて
思って、ごめんなさい。