ちょっとノロケます。
いまは外は雪吹雪で
冬に舞い戻っているけれど
10年前の今頃は
春の息吹きで輝いていた。
私の治療生活は、いまでは
約3週間の入院後、1週間の退院が
ルーティンのようになっているが
10年前は、治療のクールが終了するまで
入院をしていた。
1年間、入院していた時もあった。
その時は、ようやく退院できると思うと
感慨深いものがあった。
迎えに来てくれた夫ともに
家路に向かって、車が走っていく。
公道から我が家に向かう角を
曲がったところから
涙が溢れてきた。
家の前の交差点に差し掛かると
懐かしい我が家が見えてくる。
すると、手前にある畑で
黄色い花の絨毯が
一面に咲き揃っていた。
幸せの黄色いハンケチならぬ
幸せの黄色い菜の花だった。
夫が私が退院した時に見せたくて
根の下にできた大根の収穫を犠牲にして
花でいっぱいにしたのだ。
夫の精一杯のサプライズだった。
その思いに、私の目頭は
洪水状態になっていた。
と言うものの
その後、家に着いたら
私の気持ちはすっかり落ち着いて
あの大根を無駄にしたのは
もったいなかったなんて思っていた。
今回の新年号改号にあたっても
夫は、グッとくる憎いことを言ってくれた。
闘病生活が、長いですが、平成の時代を生き抜けることができましたね!
と、ラインメールを送ってくれた。
令和うんぬんのことなど吹っ飛んで
新年号「令和」の発表の日は
私にとって、夫の愛を感じる
記念日となった。
ちなみに、日頃の夫は
必要なこと以外には、あまり語らない。
病院に面会に来ても、5分位で
さっさと帰っていく。
そして、忘れた頃に
不意打ちをするかのように
憎い演出をしたり
心に染みる言葉を吐く。
わが夫ながら
ナカナカの策略家である。