お母さんがガンを発症したと
相談したいと40代の男性が来訪した。
まだ、私の間違った情報が蔓延していた。
困ったもんだ。
とりあえずお会いすることにした。
聞けば、ガンを発症したお母さん自身は
達観して、ガンを冷静に
受け止めているのだけど
息子さんがうろたえている。
心配で夜も眠られないと言う。
母ひとりで自分を育ててくれ
これまで苦労させてきた。
こらから楽をさせたいと
思っていたのにと嘆く。
そんな息子の思いをお母さんは
気遣っているようだった。
これでは、誰がガン患者なのかと
違った意味で困ってしまった。
とりあえず
彼にマッサージテーブルに寝てもらい
ワークを行うことにした。
体は緊張でコチコチだった。
まず、頭や手足などの抹消部位から
体全体をほぐすことから始めることにした。
次第に彼の体はリラックスして
柔らかくなって、爆睡。
ワークを終えるとスッキリとした表情で
「母の気持ちを尊敬して、まず私がいまの母の現状を受け止めることにします。私が落ち込んで、どうするんでしょうね」と苦笑していた。
清々しい表情で、サロンを後にした。
親子の愛の強さ、絆に感動するとともに
その度合いについて考えさせられ
少々複雑な思いにもかられた。
次回につづく。