山口県から帰ってから
だんだん元気になっていた。
元気になってきたので
サロンを開くことにした。
知り合いのグラフィックデザイナーに
ホームページを作ってもらい
併せてDMも作り、練習生時にモデルになってもらった人たちに、送った。
ホームページを開設し、DMを送ったものの
オーダーは入ることはなかった。
やはり無料の施術はしてもいいが
いざ料金を払っての施術となると
二の足を踏むのかなぁと思い
いまさらながらプロの厳しさを感じた。
しばらくすると、
知らない何人かの人から連絡が入った。
自力でガンを完治としたという話を
聞いたので、一度その話を聞かせて欲しいと。
私はガンが完治したわけではない。
それどころかガンが縮小せず
諦めて退院した口だ。
どう間違って伝わったかわからないが
いま元気なことは間違いない。
とりあえす、その方々に会うことにした。
訪れた人は、ガンを患っている人。
家族がガン患者の人など。
彼らは、私が医師でもないのに
とくとくと私に
これまでのいきさつや現状を語った。
私は、治療の方法や専門的なことを
語ることはできなかったが
自分の経験や現在の思いなど話し
相手の思いを出来るだけ理解するように
努めた。
その後、取り立てて進めないのに
彼らは、話しきった後
私のワークの施術を望んだ。
ワークを始めると
彼らはすぐに爆睡した。
それまでよっぽど眠れなかったのだろう。
そんな思いを感じ、心が痛んだ。
施術が終わると
彼らはすっきりした様子で
明るい笑顔を見せてくれた。
異口同音に、
「すっきりしましました。
これからはもう少し前向きに考えるようにします。無理せず、いまの状態を受け入れ、いまを生きるようにします」
と言ってくれました。
あぁ、こんな私でも少しは
人の役に立ったのかなぁと
私自身も嬉しくなったのを
いまでも思い出す。
次回につづく。