プロテストは、これまでのレベルテストとは
少々赴きを異にしていた。
レベルテストとは違い、もうレポートの提出は
必要なかった。
違うのは、モデルによる手技テストを
2回受けなくてはならないことだった。
しかも、そのモデルが審査するのは
国際トレガー協会が認定する審査プロ。
審査員が自らボディになって審査するのだ。
加えて、2回をボディとなって審査する審査員は、別の人でなくてはならない。
日本では、認定されているプロは
S氏ひとりだけ。
もうひとりの審査員は
アメリカからやって来た。
審査員は、アジアの恵まれない子供たちを支援する男性で、途中たまたま日本に立ち寄ったのを機会に、審査を引き受けたのだ。
テストは、私と私の一期前のT子さんのふたりだった。
まず、その男性(名前を忘れた)をボディに
T子さんがテストを受けた。
結果は、即答された。
彼女は、すんなり合格が言い渡せられた。
私は、これまでいろいろ紆余曲折があったものの、自分てはそれなりに努力してきたつもりだ。
練習も充分に行った。万全だと思った。
私のテスト結果も、即答だった。
たが、結果はノーだった。
意外な結果に、大粒の涙が溢れた。
納得がいかず、悔しくてたまらなかった。
即座に、その理由を尋ねた。
彼は外国人のため多くを語ることができないのか、それとも語る必要がないと思ったのか
微笑みながら、その理由は語ってはくれなかった。
ますます、納得がいかない。
次に、S氏の審査を受けた。
S氏は、日本人だ。しかもこれまで多くの審査を彼から受けてきた。
彼からなら、OK がもらえると確信していた。
しかし思いも裏腹に、S氏からの返事もノーだった。
なんで❗なんで❗
S氏は、「う~ん。なんか感じられない」
ということを言ったような気がする。
(内容については全く覚えていない)
それを聞いて私は「は~ん?」って感じで
まだ納得がいかなかった。
私の焦燥感と憤りを垣間見たS氏は
特例として、もう一度だけ
テストを行う機会を与えてくれた。
失意のまま、
私は、翌日帰途に向かった。
次回につづく。