レベル2の受講会場は、
長野県の高台に立つコテージが散在する
自然豊かな場所に設定された。
コテージは、母屋の他に、食事棟、風呂棟、イベント棟があり、それぞれの棟には宿泊施設が付随している。
敷地は広く、辺りは季節の花々が咲き誇り
小高い丘には、無農薬の有機野菜が育てられている。
この宿舎は、
スピリチュアル系の人が多く利用していて
受講中の朝、フルートの練習をする
アーティストに出会ったこともあった。
自然豊かな環境での受講なのだが
その時の私は、花粉症の真っ最中。
鼻水、くしゃみ、目のかゆみに
悩まされていた。
イベント棟で手技受講が始まった。
インストラクターのデモンストレーションの後
受講生がふたりが組になって
手技の練習をすることになった。
最初に、私がボディになってうつ伏せになり
手技を受けることになった。
相手は同期の男性O 氏。
私は花粉症で最悪の体調。イライラしていた。
加えて彼の手の運びはぎこちなく
皮膚への当たりも強く痛かった。
私のイライラはさらに募り
思わず「やめて❗」と叫んでいた。
彼は、私の叫びに驚き
困惑して立ちすくんでいるようだった。
(私はうつ伏せになっているので、よくわかなかったけど)
しばらくして、彼は再び私の体に触った。
今度は、動かすことなく、手をじっと当てているだけだった。
すると、どうしたことでしょう❗
その手から急に電気のようなパルスが流れ
やがて、それが全身を駆け巡っていくではないか❗
これはなんだ‼と思ったのも束の間
これまでの花粉症の不快感が吹っ飛んでいた。
まるで狐につままれたような驚き。
「何をしたの?」と体を起こし
彼に聞くと、どうしていいかわからなくなり
トレガーの基本である「重さをはかる」ことから
やってみようと、試みたと言う。
この手品にあったような驚きは
彼も感じたようだ。
身体中に電気のようなものが走り
何ともいえない快感を感じたと。
後で思ったが、きっと私とO氏のエネルギーが
ふたりの体を巡りシンクロしたのだろう。
私たちは顔を見合せ、茫然としていた。
今度は私が彼の体を触ってみた。
私が触っても同様にエネルギーが巡るのを
感じた。
あの衝撃的な体験は、後にも先にもなく
あの時だけである。
ただ、以来その感触は、体に染み込んだようだ。
手に伝わってくる感じが、これまでと違っていた。
これまでより、微細に感じるようになったと思う。
次回につづく。