06. 愛色に染めた

 

なんとなく音だけで

聴いていた印象と

しっかり詞を読んで

聴いた印象が

まったく変わった曲。

 

寂しげなサウンドと

空虚な歌声に

別れを感じさせて、

しかし、

その奥深くにある感情は

切なさでも悲しさでもなく

煩わしさ。

 

彼自身インタビューで

「最低な人の歌」と

表現していたこの曲ですが、

何をもって“最低”とするか。

 

あらゆるものが永遠でないように

人の感情も永遠ではないから、

何かのきっかけで

愛でていたものへの情が

ふっと消えゆくこともある。

そんな人間くささが漂います。

 

この曲の肝は

大サビ前の直前じゃないかな。

 

1番2番は

なんとなくキレイな言葉で

自分の感情を正当化しようと

試みているように聴こえるけど、

最後の最後で本音がポロリ。

 

そして、

ボソッと呟く4文字の言葉。

 

この言葉があることによって、

1番サビと大サビは

まったく同じ詞なのに

まったく違って聞こえてくる。

 

大サビの最後のワンフレーズには

諦念と後悔と

ほんの少しの期待が

垣間見えるようです。

 

最後にもう一つ。

別れの曲で

「思い出にしたくない」って言葉は

たくさん使われてきましたが、

この曲ほど後ろ向きで残酷な

使われ方をしたことはあるだろうかと。