05.Tomorrow
ここまでシンプルなバラードは
久しぶりではないでしょうか。
6人が歌い繋いでいく
AAAらしい構成が心地良くて、
これまでの活動を経て
それぞれの歌声に
深みや重みが増した今だから
じんわりと胸に広がります。
“別れ”を描いた楽曲を
さまざまな形で
送り出してきた彼らですが、
ここまで前を向いている楽曲が
あったでしょうか。
いや、前向きなわけではないな。
凛と前を向いているのではなく、
後ろを振り返りながら
戻れない日々に悔いを残しながら、
そんな自分に呆れつつ
必然的に訪れる明日に
足を踏み出さなければならない。
そんなはっきりしない想い、
白黒つけられない感情が
なんとも人間らしい。
Kenn Kato氏の詞は
言葉にならない感情が
詰まっていていいんです。
「君」には
あらゆる人が当てはまるでしょう。
両親、友達、恋人。
聴く人なりのストーリーが
紡がれていく楽曲ではないのかなと。
基本的に全編通して
メンバーが順にメインパートを
担っていく構成ですが、
最後の最後のサビで音が絞られ、
声が重なるところがいい。
グッと厚みが増して、
フィナーレ感があって、
グワッと込み上げるものがありました。
秀太くんのファルセットも
すごくいいんだよなぁ。