12.夢

 

アンコールなしで

きっかり1時間半。

 

まさに彼の性格を表しているような

ライブの最後を締め括ったのが

朧げで幻想的な『』。

 

大きな月をバックに

紡がれたこの曲は

ライブという作品のエンディングで、

日本の風情を感じさせるアレンジが

現代版『竹取物語』の最後のようでした。

 

夢のような時間が

永遠に続くわけはなく、

その終わりを迎えるまであと少し。

夢のような時間が

本当に夢だったのではないかと

錯覚するほどの儚さと尊さ。

 

Shuta Sueyoshi

どこか現実離れした雰囲気と

透き通るような歌声だったから

生み出すことのできる最後だったと思います。

 

客席に背を向けた彼が

Hearty Bearに戻る時、

まるで催眠術が溶けたように

現実の世界に戻ってきたようでした。

 

しかし、最後のMCでの

「いつでも背中を押す準備はできている」

という言葉の記憶は

確かに残っている。

 

夢のようで夢ではない、

紛れもない現実の中の非日常。

JACK IN THE BOX”の名の通り、

飛び出す仕掛けに翻弄され

ワクワクドキドキしたライブでした。