※病棟における看護の1例、治療の1例を示します。
もちろん、施設のハード面、ソフト面は場所場所で違うこと、治療方針も変わるため、必ずしも当てはまるとは限りません。
痩せの酷い患者さんは、入院中、まずは体重を増やすことが目標になります。
自分で食事を摂取していただくことが出来るようになった患者さんの場合でも、痩せへの固執は他者が想像するよりもはるかに強い場合が多く、
食事を隠そうとする、こっそり破棄しようとする事は珍しくありません。
その為、まずは
①決まった場所で摂取してもらう
②食事時、隠せないように無駄なものは無くす
タオル類、ティッシュ類など特に
③食事が終わるまではその場所を動いてはいけない
破棄、吐き出しを防ぐ
が基本だったなと思います。
看護の観点からも、上記行動の危険があることを承知した上で関わっていきます。
無駄なものをなくしても、衣類などに隠す場合もあるため注意が必要です。
食事後一定の時間は安静に過ごしていただき、他の場所への移動は看護師付き添いになります。
これは嘔吐を防ぐ意味合いが強いです。
他にも、食事の際の時間制限を設けたり
(咀嚼を増やし、カロリー消費しようとするため、1時間〜2時間かけてたべることも珍しくありません。)
他の患者さんに、接さない所で食事をして頂いたり
(他の患者さんに食事をわける場合もあります。
ただ、摂食障害の患者さんは食べているところを他者に見られることを嫌う患者さんも多いので、自ら接さない場所を希望される場合もあります)
様々な制限を課さざるをえないことが多いです。
また、入院中は強制的にカロリーを摂らされるため、消費カロリーを増やそうとするのが流れになります。
病棟内を動き回る(常識の範囲を超えて)、
いつまでも入浴し続ける、
バレないようにベッド上で出来る運動をし続ける
便秘だと偽り、下剤を大量にもらおうとする
などの行動が見られることも多く、行動の観察が必要です。
また、体重を連日測ることになりますが、
下着や肌着のみで測定する事も多いかと思います。
これは服装における誤差を無くす意味合いもありますが、
着込む、ポケットにものを詰め込むなどなど
体重が増えているように偽る患者さんも多く、それらを予防する意味も強いです。
また、朝起き一番に測ることが多いです。
同じ時間に図ることで誤差を無くすことはもちろん、大量に水分を摂るなどし体重を増やしてみせようとするのを防ぐためです。