メリット、デメリットは前回示しました。


基本的に、看護もメリットデメリットに照らしながら観察、確認が必要だと思うのですが、臨床で特に大事だと感じたものを書きます。



まずは

その薬が効いてるかどうか、です。

当たり前のことなんですけど、LAI導入を考慮される方は怠薬や自己中断の経緯がある方がほとんどです。



効果があるか、副作用が出ないか確認するために、内服薬からスタートされます。




看護師から見ると効果が出てるとは言い切れない感じがする…と思う症例でも、医師が効果があると判定し導入となることが時折あります。

(前提としてLAIに出来る薬剤は種類が少ないのでLAI前提としてしまうとしっかり効くお薬に出会えるか、という問題はそもそもあります。どこかで折り合いは必要です)


ただ、そういう場合、LAIを継続できていてもどこかで症状再燃し、再燃したことにより病院にこれなくなってしまうことが多い印象があります。


看護師しか患者さんに接さない、看ない時間帯もあるので、そういう時間帯の症状も症状判定の一つの材料になるようしっかり記録に残すべきだと思います。




あと、置き去りにされがちなのがコストの問題です。



生活保護の患者さんの場合は医療費は問題にならないですが、

ご家族が仕事をされているけど、患者さん本人や子供や高齢の親など扶養家族が多いなどそもそも余裕のない家庭も多く

毎月の窓口負担がのしかかり継続が難しくなることがあります。


途中で内服に戻してほしいと言える患者さんはいいのですが、言えずに、だんだんと受診間隔が伸びて、怠薬状態になり、症状が再燃してしまう、という患者さんもいます。


経済状況を病院スタッフに確認されることに拒否感を感じる方もいますが、治療を考えていく上では必要不可欠なのです。


看護師のほうが直接的に聞かなくても、持ち物や家族の感じ、日常会話から経済状況をまずは推察できる事も多く、その家庭においての治療の優先順位も継続に影響します。



また、入院中に導入される場合は初回の注射を病棟で行うことが多く、実際に注射した感覚も聞いたほうがいいです。


思っていたより痛かったと感じる患者さんも多く(逆に痛くなかったという人もいますが)、継続できそうか、退院までに思いを聞けるといいと思います。

(始めちゃったし…と言いづらさを感じる方も多いですが長期的に見ると継続に影響を与えます)



看護師は医師とは違う立場で患者さんを看ているし、当然視点も違います。


違う視点で見た時に治療継続の妨げになりそうなこと、懸念は直接医師と相談できる関係性が大事だなあととても思います。


(言いづらい医師の場合は、記録に書きましょう。)