統合失調症の治療や、
精神病症状のある患者さんに対して
LAI(long acting injectionの略)と呼ばれる、持効性注射剤という選択肢があります。
字の如く、効果が長く続く注射剤のことで何らかの理由で内服のかわりに導入されるものです。
薬や、注射剤の特性にもよりますが、
2週間、一ヶ月、3ヶ月に1度の注射治療になります。
看護を話す上で、外せないのは
内服薬のメリット、デメリット
注射剤のメリット、デメリットでしょう。
今回は私が臨床で感じたものを看護師視点で記載します。
(医師の診察を必ず受けた上で処方をもらわなければならないという前提があるという上で話します)
◯内服薬のメリット
容量の変更がしやすい
薬剤の変更がしやすい
つまり、副作用が出た場合に対処しやすい
比較的選択肢がある(薬剤に種類がある)
例えば、本人の調子が悪く病院に連れてこれない場合にも、家族がかわりに貰うことが最悪可能
(本人が引きこもりの状態でも治療継続の望みがある)
比較的安価
苦痛が少ない
◯内服薬のデメリット
内服確認が確実ではない
(内服忘れや、故意の怠薬などの確認が患者さんの発言に依存してしまう)
(病院でも飲んだふりをして後で吐き出すなどの行動がある場合もあり、目の前で内服してもらったとしても100%ではない)
毎日内服という行動が煩わしい
◯注射剤のメリット
医療者が注射をするので、確実に成分が入っている確認ができる
毎日の内服の必要がないので飲み忘れや怠薬を防げる
◯注射剤のデメリット
痛い
病院に必ず定期的に来れないといけない
副作用が出たときにすぐに薬剤を変更できない
(薬効がしばらく抜けないため)
選択肢が少ない(LAIがあるお薬が少ないため)
薬価が高い
今、LAIを導入されている方も検討されている方も多くいらっしゃると思いますが、メリット、デメリットの認識はいかがでしょうか?
実は患者さんにここまで詳しく説明することはない事も多いと思います。
というのも、気付けば主治医がLAIの導入をしていくという治療方針を打ち出していることも少なくなかったからです。
どんなに内服指導をしても、怠薬したり、自己中断を繰り返し、その度に入退院を繰り返す患者さんも少なくありません。
その度に、どんどん人格水準の低下をきたしていくため、再発を防ぐための方針としてLAIは理にかなった治療方針だと、私も感じています。
ですが、導入すりゃいいってわけでもなく。
注射に来なくなったら終わりなので。
次回はメリットデメリットを踏まえた看護を書いていきます。