精神科で働いていると糖尿病の患者さんが多いことに気づきます。




一部の精神科のお薬の副作用で糖代謝異常が出ることもありますが、そういうお薬は糖尿病の危険が出た段階で中止になったり、そもそも糖尿病の患者さんには使用されません。




統合失調症の慢性期の患者さんや、

精神発達遅滞の患者さんは

先を見通すことが苦手だったり

我慢することが苦手だったりします。


好きなものを好きなだけ食べてしまう事が多く、

染み付いた生活習慣はなかなか改善をすることが難しい。(これは精神科の患者さんに限ったものではないですが)



糖尿病の危険があるので、と言われても

なかなか今までの食生活を変えることが難しいのです。



入院中でもこっそりジュースを飲んでしまう

他の患者さんにお菓子をもらって食べちゃう

等々あるんです。


余談ですけど、糖尿病でない患者さんでも、黒い炭酸飲料が大好きな方が多くいて、気付くと1日に500mlを3本も4本も飲んでる、なんてざらにあるわけです。


これも、例えば血糖測定を定期でしてる患者さんなんて、血糖測ればこっそり間食した事なんてわかるんですけどね。




また、後先をなかなか見通せないというのも

糖尿病の合併症が悪化しすぎて足を切断せざるをえなくなった患者さんと、同時期に入院しており、その事実を目の当たりにするとします。

恐怖を感じ、ちゃんと治療します、と言うのですが3ヶ月もその意識が持ってない、なんてこと多いのです。




他の疾患の患者さんも糖尿病の患者さんそこそこいます。





そもそも、病気自体、予防が大切ですが、


精神科においては、生活習慣という意味では糖尿病ほど予防、もともとのご家族を含めた生活習慣の確認が必要な事はないなと感じます。


以前、過干渉のところでも書きましたが、過干渉を受け続けた結果糖尿病を発症してしまう患者さんも多くいました。



先に起こりうるトラブルを考えながら、少しずつ、子どもが望むままに与えない、食べさせないなどの指導が必要だと痛感します。

発症した時には、酷い生活習慣が出来上がっており矯正が難しい事がほとんどなのです。



また、こういった患者さんの場合、

インスリン注射が導入になっても、理解できない、実施できない事も珍しくなく治療も難しくなる事も多いのです。


結果、重症となり複数の合併症を持ち、もっと苦痛を伴う治療が継続的に必要になるけど、継続できないという問題も増えていきます。



結果、早くに命を落としてしまうという結果になってしまうこともあるわけです。