今回は個人的な考えを多く含みます。

一つの参考程度に読まれてください。




精神科は多くの子供も入院してきます。

私の働いていた精神科では下は小学生高学年くらいから入院を受け入れていました。

外来受診を含めると、未就学児も通院があると話には聞いています。


子どもはうつ病や、精神病症状だけではなく、発達障害傾向からの不適切な行動(癇癪が酷い、暴言暴力がひどいなど)から、周囲の大人の休養目的、レスパイト目的なんてものもあったり、背景や疾患は多岐にわたります。



小児精神科を専門にしている先生も、入院病棟を持っている精神科もとても少なく、近隣には無い場所も多いことなどもあり、大人を専門にしている先生にかかったり、病棟に入院をせざるをえないことが多いです。



個人的な感想ですが、

本来大人を中心に受け入れる病棟に子どもを入院させるのはとってもリスクが高いと思っています。


もちろん、医療者が判断をし、危険が切迫している、入院の必要があると判断をされ、治療が早急に必要な状態の子どももいるため、この限りではないのですが


両親が入院させたいと強い希望を持って入院する子どももいます。


治療に熱心だし、子どものことを思っている両親も多いがゆえに、入院によるデメリットが浮き彫りになりにくい。




たとえば、一つとして、大人の中に子どもが急に入ってくると、周囲の大人は医療スタッフや患者も含め少し甘やかしすぎてしまいます。

そういう環境が続くと、周囲に依存的になり退行を招くことがあります。


また、患者さんは他の患者さんの状態を知りませんので、医療的な距離感を子どもと取ろうとすると、

なぜ冷たいんだ、やってあげないんだ、と他の患者さんがクレームを入れられることもあり、周囲の大人に言えば思い通りになるんだと学び、周囲の患者を無意識に操作することを学びます。

これだけでなく様々な要因が積み重なると、子どももホスピタリズムに陥っていきます。



その他、精神科には

反社会的な患者さんや自己破壊的な患者さんも多く入院されるため、そういった患者さんの影響も無視できません。

全く触れ合わないようにすることは不可能なので、

そういった患者さん全員がそうだとは言いませんが

他の患者さんからリストカットの仕方や、自己誘発嘔吐の仕方などを学ぶことが多くあり、

治療しに来たのに、自己破壊行動を学んで帰ってしまうのです。

医療スタッフの目の盗み方なども教えられていることもありました。



こういった影響は、その時に入院されている患者さんの層にもよるため、言わばくじ運的な要素も持ち合わせており、


こどもの年齢や背景により、影響を受ける受けないにも差があるため、すべての子どもに当てはまるとは思っていません。



私は小児精神科病棟のデメリットは説明できませんが、広く受け入れる病棟にいた身からすれば、小児精神科病棟が少し遠くても、そちらに入院されたほうが長い目で見るといいのではないかと思わずにはいられません。