5月ももうすぐ終わりですが、五月病なんてのも言われるくらい、この時期は体の不調を訴える人も多いと思います。
特に春から新しい環境になった方。
つらいつらいと思いながらなんとか通っていたけれど、ゴールデンウィークで一度長期に休んでしまうと、なんとか保たれていた気持ちも一緒にポキっと折れてしまって
もう通えなくなった
もしくは
もっと辛くなった、という人もいるのではないでしょうか。
精神科では五月病という言葉は使いません。
強いて言うなら、近いものは適応障害といったところでしょうか。
(症状や状況はそれぞれ違いますので、断言はできません)
適応障害は、うつ病と似た症状が見られることが多いのですが、明らかなるストレス因子、症状が悪くなる要因があります。
それは職場だったり、特定の上司だったり
学校だったり部活だけということも
はたまた奥さんに対してとか、義実家という方もいます。
とにかく、特定のストレスがあります。
そして、もう一つ
その特定の要因から距離ができると症状が軽減します。
仕事が休みの日、上司が出張でいない間
学校がお休み、部活に行かなくていい
などなど、そういう日には症状が軽くなる、もしくは全然ないかのように元気になるんです。
こういう方のうつ症状の改善は
環境をかえる、につきます。
しかし、要因から離れると症状が軽減する特徴から、仮病じゃないか、気合が足りないだけだ、仕事(学校)ってのは大変なものなんだ、とかなんとか言われる方がよくいます。
逃げじゃないか、逃げぐせがついて何に対しても駄目になるとか。
結論から言うと逃げていいと思います。
といいますか、それは逃げなんでしょうか。
ストレスに対する耐性は人によって違うのです。
他の人と耐えれるところも耐えられないところも違います。
自分の身体は自分で守っていかなくてはいけません。
そして、適応障害と言われるような状態のまま頑張りすぎると、だんだんうつ症状が続くようになり、距離ができても不安が続き、気持ちが落ち込み…
そのままうつ病となってしまう人がたくさんいます。
ストレス因子から距離ができれば症状が改善するうちに環境を変えていただきたいと思います。
(もちろん、そんなに簡単ではないことはわかっています。ですが、医療者は病院に入院するくらい酷くなってしまった人、命を絶とうとした人にばかり会うため、そのレベルで引き換えしてもらいたいと願うばかりです)
距離を一時的にとっただけでは改善にはなりません。
元々の環境へ戻るという意識がより絶望感や抑うつ感を招くことが多いです。
学生さんの自殺が長期休暇明けの新学期始まりに多いのはそういうことだと思います。