自己肯定感って言葉、気をつけて聞いてみるとニュースなどテレビ番組でもちらほら耳にすることがあります。


精神科では、自己肯定感なるものが低い患者さん、とっても多くて、

学生さんが看護計画に、よく、自己肯定感を上げる介入が必要です、書いていました。


ですけど、その介入ってどういうのを想定してる?って聞くと、自信を持てていないところに対して、出来ていることは出来てると伝えていきます、ってだいたい返ってきます。


間違いではないんですけど。

もう少し違う視点もあればいいなぁって、思ったり。


確かに、不安がとってもとっても強くて、自信が無い人にはそういう介入が必要なこともあるし、安心感につながることもあります。


ですが、まずは、その人はなぜ、自己肯定感が低いのか考えなくてはいけません。

理由って多分、人それぞれなんです。


例えば

昔から失敗が多くて、成功体験(出来た、上手く行ったと感じる体験)があんまりないのかもしれません。


それだって、結果を求められる環境にいればいるほど、自己肯定感は下がっていきます。


同じだけ失敗しても、大袈裟に言うと、挑戦することに意味がある!失敗はいい経験だ!失敗しないと人間成長できない!なんて環境にいれば、失敗は前述より明らかにプラスの体験です。

失敗ではなくなります。


褒められることより怒られることが多かった人も、失敗を感じることが増えるので、自己肯定感が下がります。


そういう方は自分を過小評価しがちで、自分が思っているよりはるかに出来ている、と理解していくことが必要になってきます。


また、失敗、のレベルも人それぞれです。

 

100点で褒められるお家もあれば、80点で褒められるお家もありますよね。

ということは、80点で上手く行ったと思う人もいれば、失敗したと思う人もいるのです。



また、

病気や加齢により、身体能力が下がることで自己肯定感が下がる人も多いです。

もともと出来ていたレベルと比較される方は、自ずと失敗ばかり、上手くできなかったと感じることが多くなるのです。


こういう人々には、周囲が、このくらいできればいいのでは、と思われるラインで、出来ていることを伝えても響かないことが多いです。

特に看護師は、患者さんと同年代の患者さんと比べてこれだけできてれば充分だ、と考えることも多いです。

ただ、患者さんの中では本当に出来ていないのです。

比較対象は同年代ではなく、昔の自分なんですから。


共通するのは、自分の今のレベルに対して、目標が高すぎるということです。


なので、いい意味で諦めも必要なのです。

自分の今のレベルを知ること、受け入れること。


その先に、目標を下げて考えられる思考が必要になってきます。


ただ、いずれにせよ、簡単に変えられることや認めることができるものではないので、少し時間的余裕をもって考えていくことが必要です。

まずは、自分の思考の癖に気付くこと、そこからになって来るのではないかと思います。