患者さんの療養生活は、必ず、入院の場から自宅へと帰っていきます。
そこに対して、自宅を療養の場と出来るよう、必要な介入はないか、使える社会資源はないか考えていきます。
学生指導や新人指導を行っていると、
自宅に状況の情報を集めます、とよく聞きますが
だいたいのところが、料理、洗濯、掃除などの家事と呼ばれるところや、誰と一緒に住んでるか、誰が介護や支援者を担うかという点に終始されます。
年齢や疾患によって必要な情報は変わりますが、ある程度全部聞いていかなければいけません。
(もちろん、患者さんのプライバシーに関わることなので、聞くタイミングや周囲の環境の配慮、患者さんとある程度の治療的関係は必要です)
学生さんにはまず、
自分の生活を朝起きるところから寝るところまでを想像して、その行動を代わりに目の前の患者さんが行うと考えたときに困ることは無いですか?と考えてもらいます。
実際は家や生活している地域によって細かい点は、自分の生活とは代わりますので、違いを探していくと、確認できることが多いです。
その中で、その患者さんに重要となりそう点を確認します。
高齢者の身体の筋力が落ちている患者さんの場合は
例えば、朝起きます。
ベッドだろうか、布団だろうか。
布団だと一人で起き上がれるかな
自分は2階の部屋だけど、患者さんは1階かな
階段はどうかな、手すりあるかな
朝ごはんの準備は誰がするの、片付けは
テーブルかな、ちゃぶ台かな
何気なく顔を洗う、トイレに行く
今の患者さんの状況だとどうかな
といった感じにです。
車椅子が必要な患者さんなら
廊下は、トイレは、洗面所は、風呂は?
車椅子がスムーズに通れる自宅なんてそうそうありません。
玄関は段差ありますよね
なんなら、駐車場までも段差がある家も多いでしょう。
などなどです。
また、年齢に限らず
聞き辛くても避けれないのが金銭状況です。
金銭状況により、使えるサービスや治療方針が変わるだけでなく、
目の前の患者さんが療養にかけれる時間や気持ちも変わってきます。
精神科では特に、若い患者さんや働き盛りの患者さんも多く
ご家族の年齢、就業状況など聞く必要があります。
子どもが小さければ、
患者さんが欠けたときに、金銭的に厳しいまではなくとも、子育てのマンパワーが不足し家庭が回らないかもしれません。
子どもが大きければ、マンパワーは足りても金銭的に厳しいかもしれません。
そういった情報を看護師としてできるだけ把握し、医師やソーシャルワーカーなどと相談していきます。
逆を言うと、患者さんもこんなことは言ってもしょうがないよねと思われ、言っていなかったことも、相談してみると、実は使えるサービスがあることがあるのです。