精神科では、時々病識のない患者さんを病院に連れてくるために、外来受診だよ、と嘘をついてつれてきて、そのまま入院、という形をとることがあります。

患者さんは暴れることもあるし
家族に裏切られたと暴言を吐くこともあります

ご家族も断腸の思いで連れてこられることが多いので、これで本当に良かったのでしょうか、と涙ながらに言われるご家族も多いです。

でも、想像できないかもしれませんが、
疾患によっては自分で薬を辞めたことで悪化し
家に火をつけたり
壁に穴を開けたり
警察へ支離滅裂な電話したり
物を投げたり

等々、ご家族だけではとてもではないですが
対応できない
面倒見きれない
制御できない

症例が数多く存在します。


ご家族の方が疲れはてており
心配で夜も眠れない日が続いていました
と、これでいいのかと涙をされながらもどこか安心したような表情を見せることが多々あります。

もちろん、こうした他害行為があったり精神運動興奮状態にある患者さんの治療は必要不可欠でありますが、

無理やり、というひどいやり方の入院は
ご家族の休養という意味でも重要な役割を担っていると思っています。
また、ご家族さんの安全を守る、という意味でも重要です。


患者さんの意思を尊重していない。
患者さんの倫理観は、と言われることもありますが

ご家族さんの状況、体調も入院を考える理由の1つにもなることがあります。