思考の歪みの1つに
0か100かの思考があります。
この思考は境界型人格障害に代表される思考回路ですが、こういう思考傾向の人って意外と多い気がします。
大好きか、大嫌いの両極端しかなく、曖昧、グレーゾーンが無い、というのが特徴です。
大好きな人にたいしては、極度な理想化があり、褒めあげますし、尽くします。
でも、自分の理想と違うことが受け入れられる事が出来なくなると、極度にこき下ろし始めます。
大好きな彼氏に電話をかけまくる彼女。
徐々に時間を問わなくなり、真夜中にも急にかけてくる。
彼女の事は好きだけど、さすがに相手できない時間もある。
夜中は電話がとれないよ、というと急に彼女がどうして?私のこと好きじゃないの?意味わかんないんだけど!とキレはじめる。
とか。
周囲はコロコロ変わる態度に戸惑い、振り回されて疲弊していきます。
また、理由は様々ですが周囲を試すようなことをします。
結果として自分の要求を通したり、欲求を満たすためにしていることなのですが、内容によってはかなりの危険を伴うものもあります。
例で言うなら
別れを切り出した彼氏にたいして
「別れるなら死ぬ!」
と切り出す彼女。
このくらいの発言ならそこそこ言う子はいるかもしれませんが、病的になると、包丁を持ち出して手首や首に当てたり、実際に大量服薬をしてみせたり等々、かなり危険なことをします。
これらは段々とエスカレートしていくので、徐々に徐々に範囲が広がっていきます。
曖昧にしておくことが対応としては困ることが多く、一度やってしまうと、出来ないと言った時に、この前はしてくれたのに私のこと大事じゃなくなったのね!どうでもよくなったのね!となるわけです。
医療者としては、まず、できること出来ないことを明確に提示し、スタッフ全員で共有します。
対応できる曜日、時間も提示し、それ以外の要求は受けません。
恐らく、普段、こういう気質の方に振り回されて困っている方も、そういう対応でいいと思います。
私の知り合いも、別れたら死ぬ!と言う彼女に別れを切り出したところ包丁を持ち出され、自分を傷つけ始めたためどうしたらいいかわからず別れれなかったという人がいました。
心配すると放っておけない
ついまたそばにいってしまう
言い方がわるいのですが
振り回されたくない、と考えている人は
人として正しいことは
対応としては間違っていることがしばしばあります。
対応方法に日々悩む症例のひとつです。